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映画『シン・仮面ライダー』―人間でも人形でもない孤独なメカニックヒーロー

2023年6月25日 

ネタバレあります

5月末でいったん終映となりました、映画『シン・仮面ライダー』観ました。"シン"は全て映画館で観ているので機を逃すまいとしていたのですが、私情(いつもの体調不良)によりぎりぎりでの鑑賞となってしまったことを恥じります。

元祖・仮面ライダーとシン・仮面ライダーの主要(と私が思っている)キャラクターの配役の違いは以下の通り。

元祖)
本郷猛/仮面ライダー 藤岡弘
緑川ルリ子 真樹千恵子
一文字隼人/仮面ライダー 佐々木剛
立花藤兵衛 小林昭二
ナレーター 中江真司

シン)
本郷猛/仮面ライダー・第1バッタオーグ 池松壮亮
緑川ルリ子 浜辺美波
一文字隼人/仮面ライダー第2号・第2バッタオーグ 柄本佑
ヒロミ/ハチオーグ 西野七瀬
緑川イチロー/仮面ライダー第0号・チョウオーグ 森山未來

PG12指定ではあったのですが、そこまでエログロでもないだろうと思っていたら冒頭から結構グロめの演出だったのでなかなか面喰いました。あれ、仮面ライダーってこんなに生々しく敵を倒してたっけ??と回想しつつ当日の体調的に血しぶきやぐちゃっという音に敏感だったので冒頭数分は画面から目を逸らしてしまいました。その描写が本郷猛のジレンマを理解するのに必要だったと後から気付き非常に惜しいことしたなと若干後悔しましたが気分が悪かったからには仕方ありません。上映前にポテトを食べ過ぎたのが敗因です。

実は『仮面ノリダー』世代の筆者

仮面ライダーの主題歌といえば「迫るショッカー!地獄の軍団♪」で始まるあのイントロが印象的ですが、実は私の中ではフジテレビ系『とんねるずのみなさんのおかげです』(1988-1997年)のコントでやっていた「仮面ノリダー」での「赤いマフラー!正義の印♪」の方がほぼ元祖に近かったりします。

木梨猛/仮面ノリダー 木梨憲武
○○男 石橋貴明
ファンファン大佐 岡田真澄
マリナ 渡辺満里奈
チビノリダー 伊藤淳史
ナレーター 中江真司
ジョッカーのみなさん 倉田プロモーション
立花藤兵衛 小林昭二

重要キャストをオリジナルからまんま配役できてしまう、さすがは当時のフジテレビ。基本的な設定もさることながら、パロディとするには特撮としての完成度が高すぎるのも特筆すべきところ。当時まだ4歳くらいだったというチビノリダーも可愛い。

そして仮面ライダーといえば数多のイケメン俳優を発掘している平成ライダーシリーズも。見事にイケメン俳優を続々と輩出する登龍門的な番組になりました。

仮面ライダークウガ(2000)
→オダギリジョー
黒歴史にされているのではという噂も浮上しますが、ライダーから実力派有名俳優へ…の先駆けだったような記憶があります。

仮面ライダー剣(2004)
→オンドゥル語
「オデノカラダハボドボドダ」「ウソダドンドコドーン!」などでライダーファンのみならず多くのひとに旋風を巻き起こしました。

仮面ライダー電王(2007)
→佐藤健
これは既に社会人でしたが日曜日なのに早起きしてリアルタイムで観ていました。今はトップクラスの俳優さんになりましたが、当時の主演だった佐藤健さんはまだ高校生??で超が付く新人。イマジンと呼ばれる謎の怪人が憑依することで電車や日本の昔話をモチーフにいろいろな姿の仮面ライダーに変身できるところが話題を呼びました。また、怪人役の声優さんが豪華だったのもありいわゆる「おたく、腐女子」枠にどんぴしゃにハマったためにその界隈では社会現象ばりに流行っていた記憶があります。佐藤健さんと声優さんが歌っている主題歌や挿入歌も流行りました。正直カラオケで歌ってました。

仮面ライダーW(2009)
→桐山漣/菅田将暉
仮面ライダーフォーゼ(2011)
→福士蒼汰/吉沢亮
言うまでもなく他にも多くの俳優さんが輩出されていますが、私の平成ライダー知識で捻り出すと上記の通り。既に「令和ライダー」が始まっているので、もはや平成ライダー(第1作目は仮面ライダーゼロワン)が最新のシリーズ??ではないという事実に驚愕。

前「シン」作と世界線は共通しているのか

シン・ゴジラは人間、シン・ウルトラマンは外星人といった感じに主役級が担う役割や対立構造が割とはっきりしていましたが、シン・仮面ライダーは「改造人間(昆虫合成型オーグメンテーションプロジェクトの最高傑作)」なのでおぼろげに人間である頃の記憶を持ちながらも強い殺傷能力を抑えきれない異形な存在。そのため感情の表現が3作のなかでいちばん複雑だと思います。

キャストが発表された際に、皆勤賞の竹野内豊さん演じる「政府の男」と斎藤工さん演じる「情報機関の男」は、体制側として特別出演的にちょっと出てくるくらいかと思っていたら劇中ではかなり重要人物でした。シンゴジの時の竹野内豊さんは「赤坂秀樹」で、シントラマンの時の斎藤工さんは「神永新二」でしたが、最終的に明かした名前は「立花」と「滝」でした。

現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)。

空想と浪漫。そして、友情。

音楽は鷺巣詩郎さんではなく『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』(2019年/こだま兼嗣総監督)の音楽も担当していた岩崎琢さんでした。

ライダーキックがめちゃくちゃかっこいい

仮面ライダーと言えば「ライダーキック」ですが、平成ライダーも含めておそらくいちばん綺麗で威力のあるライダーキックだったと思います。マフラーがジェットになったサイクロン号から飛び出して空中でぐるぐる回って地面に叩き落すようにキックするという若干の非現実的なバカバカしさとシンプルさによって「仮面ライダー感」が圧倒的。シントラマンの時もモーションアクターに庵野監督の名前が入っていた…というかメイキング映像でばっちりやってましたから一挙手一投足のこだわりは強い(ドキュメンタリー番組では演者に丸投げしている様子も垣間見えましたが)と思います。

@shin_kamen_rider

#シン・仮面ライダー #仮面ライダー #池松壮亮 #柄本佑

♬ オリジナル楽曲 - 【公式】シン・仮面ライダー

ゆえに今作でのラスボスにあたるチョウオーグ(仮面ライダー第0号)との戦闘ははっきり言うと地味。非常に泥臭いというやつです。仮面ライダーが力で倒すのではなく妹であるルリルリと彼女が信頼して全てを託した相手である本郷猛に居場所を与えて自ら死んでいくような描写でした。

エヴァが滲み出るのは制御不可

エバ味を抑えるのはもはや不可避だなと強く感じました。そもそもエヴァンゲリオンの基盤になっているのが昭和の特撮だと考えればあちらこちらでエヴァの呪縛が現れるのは仕方ないこと。

さらば、全てのエヴァンゲリオン。

心理描写や人間臭さのためか他の作品と比べてしまうと地味さは若干目立ちます。ゴジラでは東京都心部を火の海にした挙句の果てに「無人在来線爆弾」を使用して都内の電車が一斉に突っ込んでいくという超派手なラスト。ウルトラマンも最終的に「天体制圧用最終兵器ゼットン」との戦いで犠牲になり並行宇宙に吹っ飛んでしまうも故郷である光の星を捨て地球にとどまるという胸熱展開。それらと比べてしまうと身ひとつでバイク移動が中心の仮面ライダーは戦闘シーンも瀬戸内海や工業地帯などの田舎の原風景(多分宇部市)がメインで、全体的に殺風景ではありました。

鑑賞直後のこじつけ一覧
敵オーグ→使徒
ショッカー→特務機関ネルフ
ひと(オーグ)を殺した感覚→碇シンジが渚カヲルを使徒として倒した時
プラーナ→ATフィールドやコアなどの概念
ハビタット空間→LCLの海
チョウオーグの企み→人類補完計画
プラーナの排出→エヴァとのシンクロ
仮面(マスク)→エントリープラグ

超絶どうでもいい情報ですが、私の父方の家系はどうやら山口県の方からきているようで聖地巡礼的というよりは普通にいちどは訪れたい場所であります。と言っても先祖の生家やお墓が残っているわけでもなく、場所も宇部市ではなく萩市の方らしいので地図で見ると日本海側と瀬戸内海側で真逆ですね。父親も母方も東京の出なので私の原風景はやはり雑多な繁華街や昭和の住宅街です。そのためかシンゴジのように謎の怪物が東京湾と繋がる呑川から蒲田に上陸したり(愛称蒲田くん)次々と東京が破壊されていく有様を見ていることしかできない人間の描写にめちゃくちゃ感情移入しました。

個人的VIPは長澤まさみちゃん

ルリルリ&ヒロミ(ハチオーグ)など魅力的なヒロインが多い作品でしたが私の推しはサソリオーグです。ちょっと噛ませ的な役でしたが「にゃはは」とエヴァのマリ・イラストリアスっぽい口調でシリアルキラーを演じていたのが長澤まさみさん。前作のシンウルトラマンでは斎藤工さんのバディ役としてやはり魅力たっぷりでしたが、口うるさかったりしても嫌味がない。仮面ライダーと戦闘することなく政府側の根回しであっさり消されてしまいましたが、個人的にはナンバーワン・オーグメントです。

繊細で不器用な役なら"彼"しかいない

池松壮亮さんをはじめて観たのは多分『ラストサムライ』(2003年/エドワード・ズウィック監督)ですが、最初に印象に残ったのはNHKドラマ『とめはねっ! 鈴里高校書道部』(2010年)でした。恋のライバル役でまだ学生時代の中村倫也さんも出演していました。主演の朝倉あきさんとは『横道世之介』(2013年/沖田修一監督)でも共演していました。ちなみにドラマの音楽を担当していたのはエヴァファンには超神の鷺巣詩郎さんです。

こりゃすごい俳優さんだ!!と認識して自発的に作品を追っかけるようになったのは『自分の事ばかりで情けなくなるよ』(2013年/松居大悟監督)や『愛の渦』(2014年/三浦大輔監督)の頃です。

仮面ライダーつながりとしては『無伴奏』(2016年/矢崎仁司監督)でも斎藤工さんと共演していました。全てのセクシーの生みの親である側面が存分に発揮されているのでおすすめです。同年に『セトウツミ』(2016年/大森立嗣監督)で菅田将暉さんとも共演しています。他作品含めて映画の舞台挨拶やティーチイン系も当時はかなり行きました。観た作品を列挙していくとキリがなくてもはや楽しいです。

映画館で子門真人さんの歌声を聴けるとは思いませんでした。次があるならば主題歌もそのままに『シン・仮面ライダーV3』な感じでお願いしたいです。できれば池松壮亮さんに出ていただきたいですが、彼のプラーナはルリルリとともに仮面ライダー2号が受け継いだマスクの中に保存されてしまったので難しいのかなーと思いますが、監督の続編構想発言は気になるところですネ。度々話題になるナウシカ(巨神兵)の続編はやらないのかという声もありますが、いろいろできるうちにいろいろやって欲しいというのがファンの切実な願いであります。

仮面ライダー,石巻駅
仮面ライダー,石巻駅
石ノ森萬画館があるJR石巻駅にて撮影。

参考引用:
石ノ森萬画館 MANGATTAN MUSEUM(https://www.mangattan.jp/manga/)2023.6.25
石巻マンガロード(https://mangaroad.jp/)2023.6.25

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