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おめでとう、さようなら。―『エヴァンゲリオン放送30周年記念特別興行』を観てエモくなってしまった惣流アスカと私

2026年3月31日 

直近の作品である『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を劇場で鑑賞したのが既に5年前という事実に驚愕しておりますが、そもそも私がエヴァに興味を持ち始めたのはそれこそ30年前のことでした。

私が人生ではじめてエヴァと出会ったのは友達の言葉からでした。年齢が透けますが当時小学生でした。新世紀エヴァンゲリオンというアニメのオープニング曲が"おもしろい"ということで、まだレンタルショップ店が点在している頃だったので2人で50円ずつ出し合って友達の姉の会員証で(当時は良くも悪くも適当でした)『残酷な天使のテーゼ』のシングルを借りました。

友達の家のCDラジカセでヘビロテし、何がハマったのかはよく覚えていないのですが(おそらく間奏の部分)げらげら笑いながら聴いていました。さすが小学生です。友達の影響で途中から【テレ東水曜18:30-19:00枠】のエヴァもリアタイするようになり、正直内容は全く分かりませんでしたが映像がすごかったので何となく観ていた気がします。

前々から「会場限定の新作があるらしい」とのネットニュースを受けてSNS上は騒然としていたように覚えています。として入場者プレゼントで配布された漫画小冊子「公式謹製36P冊子『EVA-EXTRA-EXTRA』(A4)」(通称:公式の薄い本)の内容つまりは『エヴァQ』の前日譚がアニメ化されるのではないかなどの意見も私のアカウントのアルゴリズムでは散見されました。この冊子は私も拝読していてもしこれがアニメ化されるとなればかなり映像美がエヴァイズムに満ち溢れた美しいものになるのではという期待感がいちばんに浮かびました。

惣流アスカの補完計画

実際に公式がYouTubeにアップロードしてくださった短編を拝見したところ素晴らしい裏切られ方をしまして、一部SNS上に違法アップロードされていたということもあり既に概要はバレていたようですが、確かにアスカはどの世界線でも本当に苦しい運命を背負わされもはや不憫です。

基本的にはギャグなのですが(後のエンドロールで監督がおそ松さんなどで有名な浅野直之氏だったので妙に納得)自信満々のアスカが弐号機を引き連れて日本にやってきたものの使徒に精神汚染され劇場版で復活したかと思ったら量産型に鳥葬されるという…年齢的に劇場には行けませんでしたが後にネットで観た時にあまりの凄惨さに目を背けてしまいました。私が観たのは「シト新生」(1997年)ではなく「Air/まごころを、君に」(1997年)だったのでそこから『THANATOS -IF I CAN'T BE YOURS-』の螺旋状のエンドロールが入る演出は多感な時期の私には非常に衝撃的なもので、それの影響でエヴァの世界観に置き去りにされたと言っても断言してもよいでしょう。

綾波レイと渚カヲルの正体は実は今でもよく理解はしていないのですが、ひとまず人間ではなく、シンジが再構成した宇部新川駅でマリと話している最後のシーンでちらっと見える綾波とカヲルはユイとゲンドウのような関係に収まっているように見えます(シンジの両親はサードインパクトを止めるために自ら槍を使ったのでおそらくシンジが成長した世界にはもういないはず)が、アスカはひとりで座っているのが遠目に見えただけな上に彼女は式波アスカです。

そのため惣流アスカは「気持ち悪い」の終わりからなかば置き去りになっていて、それを自ら漫才風に自虐的に突っ込んでいるというメタ要素も含んだ手法には出鼻をくじかれました。

本当の意味で卒業できた気がした

公式が自虐に走ってくれたのは正直すっきりしました。エヴァは旧も新も勝手に考えさせられたり難しすぎて理解できなかったりという不思議な作品だったので、やはり小学生の頃からファンをしている私としては「登場人物に幸せになってほしい」というテーマに収束したのは本当に良かったと思っています。しかしながら前述の通り「惣流アスカ」はまだ補完されていなかった節があるので、30周年というこの素晴らしい時にギャグ路線とはいえ惣流アスカ自ら「私は私のいた世界で幸せになりたい」という言葉を聞いた時は若干涙腺がぐりっとなりました。

シンジがアスカに「一緒に行こう」と手を伸ばした時に存在し得たかもしれない未来(エヴァのない世界)が逆走馬灯のように流れていきますが、アスカは微笑んで拒否??します。

この穏やかな優しい世界は私のいるところじゃない
私が守るところだった(以下略

初見の私は一瞬「アスカそれでいいの?本当にいいの?」と思ってしまいましたが、惣流アスカはそう言うんだろうなという納得感のようなものもあって特にファンとして腑に落ちないということはありませんでした。

宇部新川からまさかの原点回帰に

最後のシーンでアスカが待っている政府特別専用車両は「第2祖師ヶ谷大蔵行き」とアナウンスされています。ここでエヴァの聖地を改めて思い出してみましょう。

惣流・アスカ・ラングレーの場合
箱根(神奈川県足柄下郡箱根町仙石原)
祖師ヶ谷大蔵駅(東京都世田谷区)
式波・アスカ・ラングレーの場合
天竜二俣駅(静岡県浜松市天竜区)
宇部新川駅(山口県宇部市)

箱根といえば小田急ロマンスカーというのは割と一般的な認識かもしれませんが、第3新東京市のモデルが箱根であると公式にアナウンスされればもちろん箱根はエヴァの聖地としてファンの心の拠り所になったわけですが(少なくとも私はそうです)、シンエヴァで新たに第3村のモデルになった静岡県浜松市が加わり庵野監督の出身地である山口県宇部市が最終地点となりました。

私自身、父方の祖父が山口県の萩市出身??らしいのですがお墓は東京にあり親戚や旧家やお墓もないため山口県には行ったことがありません。萩市は日本海側、宇部市は瀬戸内海側なので真逆ではありますがあのラストには妙に親近感や安心感を覚えました。都合の良い時だけルーツをポジティブに解釈しています。

NHK取材陣に「この男に安易に手を出すべきではなかった」と言わしめた伝説のドキュメンタリーでもモーションキャプチャーの撮影や完成後の初号試写会で東宝スタジオが登場しました。

小田急線・祖師ヶ谷大蔵駅を最寄りとする世田谷区・砧地域の南側は、今もなお映画・テレビ制作の拠点として知られています。
このエリアには「東宝スタジオ」や「TMC(東京メディアシティ/旧・国際放映)」など、映像制作に関わる多くの企業が集まっています。

https://www.ultraman-shotengai.com/20th_Anniv/about.html

1963年、この映画の街・砧に、特撮の神様「円谷英二」氏が 株式会社円谷特技プロダクション を設立しました。
それ以来、祖師谷・砧地域はウルトラマンシリーズをはじめとする数々の特撮作品のゆかりの地として親しまれています。

https://www.ultraman-shotengai.com/20th_Anniv/about.html

あくまで「第2祖師ヶ谷大蔵行き」なので惣流アスカが向かう場所がどこだったのかはわかりません。ただ、友情出演のようにヌルッと円谷プロがあった&東宝スタジオがある最寄り駅を選んだのは「えもい」と思いました。

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ちなみに円谷英二監督の出身地である福島県須賀川市では朝ドラの主人公にということで誘致に乗り出しているとのこと。仮に朝ドラが実現した際には東宝や円谷スタジオの設立の頃が描かれるのか、こちらも気になるところです。

継承されるエヴァの魂を感じる

やっと終わった…と思ったのも束の間、というより短編を観るより先に予告編は知っていたので時系列は逆なのですが、まさかの新作始動ということで「もう全てのライフはゼロよ」と思いましたが制作陣はほぼ一新されております。私の中では庵野監督の名前がないのはもちろんですが、音楽が鷺巣詩郎さんでなくなったのは「私が思うエヴァ」からは離れたなというのが第一印象でした。おそらく「中期の平成っぽさ」も魅力に感じる要素だったのかもしれません。

監督は『ふしぎの海のナディア』(総監督庵野秀明/1990年)の頃からずっと名を連ねている鶴巻和哉氏と新進気鋭の谷田部透湖氏、恥ずかしながら私は未プレイですが非常に評価が高いアクションRPGゲーム『NieR:Automata』などのNieRシリーズを担当されているヨコオタロウ氏がシリーズ構成・脚本、岡部啓一氏が音楽ということで非常に期待値も高まっていることかと思われます。私はニーアはプレイしたことがないので深くは存じ上げないミリしら勢のですがゲーム実況などで少々拝見したことがあり世界観のようなものはわかりますが、ネット上の反応ではひとまずバッドエンドを避けることはできなさそうという予言がちらほら見られます。

ふしぎの海のナディアも話はよく理解していませんでしたが両親に連れられた繁華街で主人公のナディアが持っているブルーウォーターのおもちゃ(今考えると青いプラスチック)を発見してものすごく欲しかったのですが高そうだったので我慢した記憶が今でも鮮明に残っています。セボンスターでたまたま当たったブルーサファイアのようなおもちゃもずっと眺めていられるくらいには気に入っていました。今考えるとこの頃からエヴァの刷り込みが始まっていたのかもしれません。

ネットのどこかで見かけましたが「ガンダムのようなコンテンツになっていくのかもしれない」という感想や意見は非常に腑に落ちました。よくよく考えたらゴジラやウルトラマンも何度も新規精鋭のクリエイターたちによってリメイクやリブートされていることを考えれば、小学生の頃に音楽を聴いて友達と笑ってひとりでテレ東を観てぽかんとしていたあの頃のコンテンツがこれからもずっと何らかの形で継承されていくのだと思うと、自称最古参のいちファンとしては感慨深いものがあります。無論、作り手の方々の心中は想像だにできません。

エヴァに限らず30周年や40周年を迎えるコンテンツが軒並み増えるようになって、こどもの頃からある種の「文化」を支えるひとりであったことが今は誇らしいとすら感じるようになりました。かつては自分も何か生み出す側になりたいと漠然と夢みてはいましたが、ファンとして陰ながら後世に繋げていくのもまたコンテンツの在り方なのかなぁなどと自分勝手な物思いとともに若い世代にかつての自分の面影を重ねてしまう春愁であります。

おやすみ、アスカ。

参考引用:
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』円谷プロダクション(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%86%E8%B0%B7%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%80%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3)2026.3.31

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パニック障害、不安障害と診断されたことを恥じる時もありました。こんな病気にさえならなければ自分の人生はもっときらびやかで素敵なものになったのではないかと親を責め、自分自身を責めたこともありました。月並みですが今ではこの経験が私自身を強くしているのだと感じています。そしてこれから同じような苦しみで生きづらさを抱えてしまう未来のひとたちを支え助けるのが私の生きる意味のひとつであると考えながら日々過ごしています。

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