ありがとうさようなら80年代/2025年(令和7年)の相次ぐ施設閉館ラッシュに昭和レトロ世代わい涙目
東京は春夏秋冬昼夜問わず毎日あちらこちらで整備や再開発が行われており「永遠に完成しない」を地で行っているディズニーランドのような場所です。現場で働いている作業員や警備員などの方々には頭が下がります。
再開発となると以前からあった建物や空間が取り壊されたりなくなったりすることは避けられないわけで、新しい施設にわくわくすると同時にひとつの時代の終わりも感じざるを得ず、一抹の寂しさに浸ることもしばしばです。私は今年(2025年)に入って既に小さい頃から親しみを感じていた施設2つとさよならをいたしました。
新宿アルタ
2025年2月28日(金)閉館
理由:営業赤字??
今後:解体後未定
やはりアルタと言えば『森田一義アワー 笑っていいとも!』(1982年-2014年)でした。正確には新宿アルタというファッションビルの上階にスタジオアルタがあったという感覚(Wikipedia曰くサテライトスタジオに分類されるらしい)。詳細な契約に関しては難しいので割愛。現在は正式名称の新宿ダイビルになりますが解体する模様。
2025/2/28の報道
朝9時半アルタ前に集合というもはや伝統芸的な告知は今でもつい独り言に適当に混ぜて言ってしまいます。
アルタビジョンで流れた動画
今後の新宿を見守るは新宿東口の猫
新宿が舞台で超お馴染みの『シティーハンター』ではアルタビジョンに槇村香が冴羽を狙う敵に挑戦状を出すシーンがあるなど新宿が舞台の作品では欠かせないランドマークでした。

中学の友達が高校で履きたいという理由で(大幅に記憶が改竄されている可能性はあり)ビル内の雑貨屋にルーズソックス買いに行ったのは覚えています。小さい頃は紀伊国屋書店のビルとごっちゃになりがちでしたが、今では迷うことすらできなくなりまして寂しい。
先日友人とアルタの思い出を少し話した時にどうやら授業が終わり次第かもしくは授業を抜けてなんとかお昼12時のアレに映ろうとしてたらしい。
土地・建物はもともと三越が所有していたが、2000年にダイビルに所有権を売却している。閉館後の計画は現時点で発表されていない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/294112978df791ce8d33dcd2f1a10474714aa163
同時に15年開業の原宿アルタも閉館したため、アルタの屋号で運営する商業施設は池袋のサンシャインシティアルタだけになる。
最終日は寂しすぎて足を運んでみましたが既にショッピングセンターとしても閉店に向けて準備をしていたので1階の「Standard Products」で日用品の買い物をしました。
文字通りアルタ前では限定グッズも販売していたのでついマグカップを購入してしまいました。番組が終わったのも10年前のことなので学生さんよりは主に中高年のお客さんが青春時代と重ね合わせて別れを惜しんでいるように見えました。
帝国劇場
2025年2月28日(金)閉館
理由:老朽化による建て替え
今後:2030年度開業予定
実は帝国劇場に関しては私自身はほとんど縁がありませんでした。母が言うには「約50年前にイギリスからきたオリバーツイストを観に行った」らしく私よりも母の方が思い出はあるようです。
ミュージカル『オリバー!』は、英国の文豪:チャールズ・ディケンズの傑作小説「オリバー・ツイスト」を原作に、『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』、『メリー・ポピンズ』を生み出したキャメロン・マッキントッシュ率いるクリエイティブチームが贈る、豪華絢爛で荘厳な超大作ミュージカル。1960年に英ウエストエンドで初演。トニー賞最優秀オリジナル楽曲賞を含む数々の賞に輝き、1968年に映画化されるとアカデミー賞で6冠を獲得した。日本では帝国劇場にて、1968年に招聘版、90年に日本キャスト版が上演され、30年を経た2021年に装いも新たに「オリバー少年の愛と感動の冒険物語」を上演する。
今回建て替えられるのは2代目で、初代帝国劇場は1923年(大正12年)の関東大震災で焼失。第二次世界大戦を乗り越え長らく日本の演劇を牽引する象徴的存在でしたが老朽化には抗えず建て替えと相成ったようです。
新宿ミロード
2025年3月16日(日)閉館
理由:再開発に伴い閉館
今後:新宿駅西口再開発事業に準拠
既に公式アカウントは削除されており閉店当時の情報はあまり見られなくなっております。残念。

こちらもアルタと同じく最終日に立ち寄り。ショッピングというよりは建物の雰囲気を踏みしめる感覚で閉店前に立ち寄ってみました。一番上の階から思い出をなぞりながら…とゆったりいきたかったのですが友達と行った「スイーツパラダイス」はおそらく再開発とは関係なく既に閉店。通り道に使う方が実は多かったのでコレというお店はあまり残っておらず。人気があったパンケーキ屋(Hawaiian Pancake Factory??)もいつか食べてみようと思っていたら時すでに遅。高層階から見る新南口の風景を最後にエスカレーターを降りてミロードを後にしました。
新宿「モザイク通り」の思い出をイラストに 営業終了に合わせ企画・展示
https://shinjuku.keizai.biz/headline/3091/
新宿ミロードは新宿駅に直結した大型商業施設で、20代の女性をターゲットにしたファッションやレストランフロア、新宿西口と南口をつなぐオープンモールのモザイク通りなど約120の専門店から成る。運営する小田急SCディベロップメント(新宿区)は現在、小田急電鉄、東京メトロと共同して「新宿駅西口開発計画」を進めていて、計画に伴い3月25日にモザイク通りの14店舗と、同エリアにある「モール2階」3店舗が営業を終了し、以降通行ができなくなる。
通り抜けによく使っていた京王百貨店と小田急百貨店の間にあたる道のモザイク通りも新宿ミロードの閉店に先駆けて封鎖されてしまいました。
雑踏で母の背中を追っていた記憶はよく覚えています。海外の雑貨屋がありそこでディズニーの英語の絵本を買ってもらったようなもらっていないような曖昧な記憶もあります。母が言うには私が幼稚園児の頃にロッテリアに連れて行ったとのことですが全く覚えていません。
学生の頃は中島美嘉さんが21時頃にゲスト出演するという噂を友達が仕入れてきたのでラジオブース前で待機しました。どこのラジオ局すらもわかっていませんでしたが(Wikipedia曰く"ミニFMステーション「KID」局")なかなか強烈な青春の記憶としてしばしば思い出します。
友達に付いて来てもらった期間限定展示
最近では「ザ・メープルマニア」(https://sucreyshopping.jp/themaplemania/shoplist)が好きで、いつかそこで店舗限定のメープルサンデーなどを食べよう食べようと思っていたらモザイク通りの封鎖と共に閉店してしまいました。試食で店員さんが配ってくれたメープルフィナンシェが美味しかったです。
丸の内TOEI
2025年7月27日(日)予定
理由:再開発に伴い閉館
今後:東映会館再開発に準拠
映画館といえば新宿歌舞伎町にあったミラノ座に連れて行かれて1番前の席でジュラシックパークを観る羽目になり若干トラウマになる、こちらも今はなき渋谷TOEIでアニメ2本立てを観たりというくらい新宿渋谷周辺の利用が多かったため、幼少期は有楽町周辺はあまり足繁く通った(連れて行かれた)記憶はありません。
母は「元西銀座デパート」の向かいと言っていましたが、確かに2008年の開店50周年を機に屋号を「NISHIGINZA」に変更していました。
有楽町マリオン(有楽町センタービル)の丸の内ピカデリーの方が小さい頃に親に連れて行ってもらった記憶が強いです。シアター数は少ないですがスクリーンの巨大さは宝なのでなくなってほしくないのが本音。以前にほぼ貸し切り状態で観たことがありますが非常に贅沢な時間でした。ピカデリーなので運営は松竹です。同じく有楽町マリオンに入っていた東宝系の「日本劇場」「日劇東宝」「日劇プラザ」(TOHOシネマズ日比谷の開業に伴い2018年に閉館)も連れて行かれたかもしれませんが、あの辺りは劇場が多すぎてさすがに小さい頃にどこに行ったかというのはピンポイントで覚えていません。
日劇は映画『スターウォーズ』の聖地でもあった
さて、丸の内TOEIは渋谷TOEIと比べると大人向け(時代劇やポルノ系)なイメージがあって親に連れて行かれた記憶はありません。社会人になってからちょっとえっちな感じの邦画を観に行ったことはありますが、建物の外観および館内の印象としては「昭和」です。私が行った時は(それでも10年以上前)館内の受付や売店で常連客のおじさんとスタッフが世間話していました。売店で販売しているものも今の映画館で一般的なカフェっぽいものではなく新幹線が止まる駅の売店みたいな印象。
現在はシネコンが当たり前になりミニシアターこそ地域に根強く存在しては下りますが、昔ながらの映画館(シアター数が少なく座席指定や入れ替えもないため1回の鑑賞料で入り浸り放題)は絶滅危惧にあります。建物の老朽化や経営の観点から考えるとそれも仕方ないので反対するほどでもありませんが、やはりどことなく「寂しいなぁ」という思いはあります。
昨今は似たような高層ビルが立ち並び(昔からそうだったのを繰り返しているだけかもしれませんが)、銀座は既に顕著ではありましたが新宿や渋谷や池袋ですら日本人より外国人観光客をターゲットにした商業施設が増加傾向にあると肌で感じています。日本人が自国で贅沢できない状態を強いられながら外国のひとが大量に買い物をしたり値段を気にすることなく食事を嗜んだりしているのを見ていると少々複雑な気持ちにもなりますが、バブル期の日本人が欧米で同じことをしていたという過去の事実を考えると時代は巡るものだなぁと時の流れを噛みしめつつ、変化も「世の常」として受け入れる心も醸成しようと思う春でした(宗教じゃないです)。
いつも街には母の手と父の背と同じ時代を育つ友達と過ごした思い出を想起させる手がかりのようなものが溢れていました。もう思い出すきっかけはなくなってしまうかもしれない、もう二度と思い出すこともないかもしれない…などと感じて常世の脆さを嘆きそうにもなりますが、例えば親と同じように永遠に離れたとしても記憶と共に自身を形作っているのだと思えば寂しくもないのでしょう(宗教じゃないです)。
* * *
おもひで追記)
私のなかで印象深いのが都内の「からくり時計(カリヨン時計)」です。現在は有楽町マリオンに、過去には新宿の小田急ハルクにも存在しました。定刻になると鐘の音とともにレトロ可愛い人形がカチャカチャと動く様子がこどもながらに圧巻で、親がその時間に合わせて待ってくれた時のわくわくと言ったら今でもどうにも言葉で表せられません。という具合にそれくらい私のなかでは印象深い特別な空間でした。
有楽町も昔ながらの建造物と再開発の施設が混在した街に変貌しつつあるので、いつかどこかで何かがすっと消えてなくなってしまうのかもしれないという一抹の不安もありますが、昨今の防災対策等を考えると老朽化が著しい建物を存続させておく危険性も理解できるので、なんとも複雑な気持ちではありますが来るもの拒まず去るもの追わずの精神??で東京都の再開発には期待を込めたいとも思っております。
今日は昭和の日
ちなみに両親の結婚記念日ですが父他界につき母凹み
参考引用:
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』新宿アルタ(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%AE%BF%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%BF)2025.4.29
帝国劇場 帝劇クロージング特設ページ(https://teigeki.tohostage.com/closing/)2025.4.29
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』帝国劇場(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E5%8A%87%E5%A0%B4)2025.4.29
新宿ミロード OdakyuSCポータル(https://www.odakyu-sc.com/shinjuku-mylord/)2025.4.29
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ミロード(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89)2025.4.29
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』丸の内TOEI(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%B8%E3%81%AE%E5%86%85TOEI)2025.4.29
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