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映画『THE FIRST SLAM DUNK』―スラムダンク素人こそ観た方が良い超名作劇場版

2023年1月11日 

ややネタバレあります

周囲での評判が非常に良かったのがきっかけにもなりまして、話題の映画版『スラムダンク』を7.1chの音響採用の劇場で鑑賞してまいりました。結論から言うと「スラダンは正直よく知らなかったりする…というひとほど絶対観た方が良い!!」です。何よりすごいのが原作・脚本・監督が全て井上雄彦先生。パンフを読むといろいろな経緯があってアニメーション映画の初監督を務めることになったようですが、シュートなんかも入るとわかっているのに「入れ―ッ!」とつい心の中で応援してしまうような気迫がありました。

公開前や公開直後は、テレビアニメ時代の声優さんが総入れ替えになったという後出情報や、CGを多用した独特の技法が昔からのアニメファンにとっては受け入れ難いというような空気があり前評判としてはあまり良くない印象を受けていました。私は、桜木花道は草尾毅さん(「ケロロ軍曹」のドロロ兵長でもパロディにされた"左手はそえるだけ")、流川はグリリバこと緑川光さんくらいの認識だったためか(改めて配信版を観ていたら田中秀幸さんの木暮くんファンになりました)、役者さんが一新されることに関しての抵抗はありませんでした。モーションキャプチャーを多用したぬるぬるした独特の映像も「リアルなバスケの試合」を見せるためには必要な技法だったと鑑賞直後は痛感しております。

テレ朝アニメ時代とは別物

スラムダンクといえばテレビ朝日系列で1993年から放送されていたアニメで知ったひとも多いと思われます。少なくとも私もそのひとりです。BAAD『君が好きだと叫びたい』や、大黒摩季『あなただけ見つめてる』、WANDS『世界が終るまでは…』などOP/ED合わせた主題歌も思い出深いです。

当時アニメをリアタイしていた頃は→神奈川県立湘北高等学校に入学した赤髪で不良の桜木花道は、赤木晴子に恋をしたことをきっかけに彼女の兄が部長を務めるバスケット部に入部するも、晴子は同じ1年生の流川楓に夢中。嫉妬に駆られた桜木は晴子に振り向いてもらうためにも持ち前の長身と運動神経で未経験のバスケに打ち込むようになる。(筆者要約)←というのが当時の私の認識。

湘北の勝利を支えるシックスマン

そのためバスケが中心になる作品でありながらスポーツにストイックなイメージはあまりありませんでした。流川も女子生徒からモテモテなのに無愛想な感じが正直鼻についてました。私がまだ小学生くらいで作品に対する視野が狭かったのもあるかもしれません。そのため晴子ちゃんは男心をもてあそぶとんでもねえ魔性の女みたいに思っていて好きではありませんでした。桜木軍団の洋平は「意外とミーハー」、バスケ部マネージャーの彩子さんは「鈍い」と言っていたのでわざとではなく天然なんですね。無垢な女子高生ぽくて今は嫌いではないです。

バスケの知識はなくてもOK

原作漫画ですと登場人物はもっとたくさんいますが、今回の映画の場合は強豪・山王工業高校と試合をするスタメン5人が中心。この選手たちのことをなんとなくでも知っていればすぐ物語に引き込まれます。

桜木花道(赤髪の主人公):
1年/パワーフォワード(PF)/189.2cm

④PF(パワーフォワード)
ミドルレンジやゴール下での得点を主な役割とするポジションです。ゴール付近で体を張ったプレーで得点やリバウンドに絡みます。

流川楓(天上天下唯我独尊):
1年/スモールフォワード(SF)/187cm

③SF(スモールフォワード)
長距離からの3ポイントシュートだけでなく、ゴールに向かってドリブルで切り込んでいく、広域に渡って活躍を求められるエースポジションです。

宮城リョータ(今回の狂言回し的役):
2年/ポイントガード(PG)/168cm

①PG(ポイントガード)
コート上でチーム5人の動きを決めて指示を出す、司令塔の役割を担います。全体の動きを把握し、冷静に判断な攻守でチームを牽引します。

三井寿(先生バスケがしたいです):
3年/シューティングガード(SG)/184cm

②SG(シューティングガード)
ポイントガードの補佐役を行いながら、長距離から3ポイントシュートを積極的に狙うポジションです。アウトサイドからの得点能力が高い選手が配置される傾向があります。

赤木剛憲(部長ゴリ):
3年/センター(C)/197cm

⑤C(センター)
身長の高い選手が多く、チームの大黒柱的な役割を担います。ブロックやリバウンドでゴールを死守します。相手との接触が多く、高い身体能力が要求されるポジションです。

山王戦での作戦は、宮城が相手ディフェンスを破り自軍に打たせる&桜木が確実にリバウンドを取りにいく流れが中心でした。バスケ経験者やファンのひとはもっと詳細な部分まで拾って楽しめると思いますが、バスケの知識がなくても「物語」「アニメーション」「映画」として存分に楽しめました。そもそも主人公の桜木も山王戦でフェイクのつもりがダブルドリブルをしてしまうくらいのレベル(私もひとのことは言えませんが)なので、現在ですと八村塁選手や渡邊雄太選手らのNBA(National Basketball Association)などのプロの試合をしっかり追っていける知識がないといけないというような類のものではありません。ひとつの試合をベースに各々のキャラクターの過去エピソードやモノローグを織り交ぜていくという手法にも引き込まれました。

今回のヒロインは意外なひと

スラダンのメインヒロインといえば赤木晴子ですが、今回はバスケ部部長の「妹」というだけの存在風。5人それぞれの物語は宮城リョータを中心として描かれているため、女性陣の登場は少なく宮城が好意を寄せているバスケ部マネージャーの彩子が主になります。

が、いちばんのヒロインは間違いなくリョータの母である宮城カオル。3人の幼いこどもたちを残して亡くなってしまった父親に代わり母を支えていた(リョータの兄である)長男・ソータも海難事故により死去。バスケ選手として将来有望だった兄に比べて何かと問題を起こすリョータに対し、ついヒステリックに当たりがちになってしまう母と息子の関係は複雑でした。「生きていたのが優秀な兄ではなく自分で申し訳ない」というリョータの本音が出たカットでは劇場内ですすり泣きが聞こえてくるほど。長女のアンナちゃんもつらい経験の多い女の子ですが常に家族思いで天真爛漫な妹です。

観るなら音響は重視

映画を観ていなくても最近ではTikTokなどでも楽曲を耳にしたことがあるひとは多いのではないでしょうか。とあるシーンを突破口に膠着状態だった湘北のプレイが一気に動き出すのですが、そこで使用されるのが同作のエンディング主題歌でもある10-FEET『第ゼロ感』です。もちろんオープニング主題歌のThe Birthday『LOVE ROCKETS』も試合開始の合図になるかっこいい曲なので、大画面大音響+高設備の音響システムで鑑賞することをおすすめします。バッシュがキュキュと鳴る音やドリブルの音など効果音もかなり精度が高く多方向から聴こえてくるので、初見なら重低音が響く劇場をおすすめします。その分静寂のシーンもかなり際立って興味深いバスケ体験ができると思います。

10-FEET『第ゼロ感』

The Birthday『LOVE ROCKETS』

* * *

劇中で短髪にする前の桜木のシーンが出てきますが、北条司先生のファンとしては「冴羽リョウみたいでカッコイイ」という本音が脳から漏れました。北条司氏と井上雄彦氏は師弟関係(井上雄彦氏が『シティーハンター』のアシスタントをしていた)にあたり、最終巻の巻末には「Special thanks to:」の欄のトップに「井上雄彦」の名前があります。2016年には月刊誌で対談も掲載され、ジャンプ全盛期を支えたレジェンドの登場に興奮したものです。

恐れながらWikipediaでの情報ですが、原作の井上雄彦さんご自身に学生時代には同じ剣道部に所属していた実兄がおり、高校からふらっとバスケットを始めたという経緯があるそうなので"宮城リョータ"という人物像は先生の半生が投影されているキャラクターなのではないかなと感じております。

参考引用:
B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト 観戦 > ゲームルール解説 (https://www.bleague.jp/basketball_rule/)2023.1.11
Slam Dunk Scholarship|スラムダンク奨学金 (http://slamdunk-sc.shueisha.co.jp/index.html)2023.1.11
北条司『シティーハンター』ノース・スターズ・ピクチャーズ, 2013, 32巻

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