【東京2020五輪】緊急事態宣言下で五輪は開催され都民は自粛を強いられる理不尽
注)運営上層部側と選手や現地係員さん等の活躍は別で考えています
今回は真面目ぷんぷんマンです。主義主張というよりは「こんなことあったな」という風にいつか思えればという普通の日記のようなものです。
昨年開催されるはずだった『東京2020オリンピック』も世界的大流行(パンデミック)となった新型コロナウイルス感染症の影響で延期となりましたが、その翌年である今年には半ば強行突破されることになりました。既に設備などに巨額の投資を行っていることと、次の五輪や他の競技会なども控えていることを考慮するとまあこうなるしかないよな…とは思いますがドコとなく腑には落ちないまま。
それもまさかの緊急事態宣言下での開催というのはさすがに予想だにせず。7月11日までは「まん延防止等重点措置」期間として茶を濁し五輪期間には何事もなかったように全てを解除するかと個人的には思っていたのですが、昨年と比較しても梅雨明けの猛暑と医療関係者の必死のワクチン接種にもかかわらず都内の感染者数が爆発的に増加したため長期の緊急事態宣言下に急旋回。
かくして、はっきり言って誰の誰による誰のためのものなのか闇に葬られてしまった謎の祭典がスタートしたのであります。正直なところ私個人はスポーツ観戦自体にあまり興味がないので、アスリートや大会関係者などこの時のために長い年月をかけて尽力してきた方々には申し訳ないのですがただでさえ自然災害も増える不安定で灼熱地獄の気候がデフォルトのこの真夏に五輪などを優先している場合ではないと思っていました。
やると決まってしまったもんはしょーがないと思って日々を過ごしていましたが、私のような超弱小都民の逆鱗に触れたのが以下。
・緊急事態宣言下に伴う制限の復活
・国際オリンピック委員会(IOC)会長の謎接待
・4連休(7月22日~25日)の外出自粛要請
もはや感染症を抑えるための対策というよりは、いかにハリボテ五輪をなんとか終わらせるかという本末転倒の状態。
私は某映画の上映最終日が迫っていたので行く気満々だったのですが、急遽緊急事態宣言に切り替わったことで都内の映画館は軒並み座席の間隔を空けるために入場者数を半分に減らす間引き販売に変更。そのため鑑賞券はプチ争奪戦となり非常に肝を冷やしました。その時にふつふつと「文化芸術>スポーツ」派の私は怒りに駆られてしまい、でき得る限りニュートラルな視点を保とうとしていた理性は消え完全に五輪に嫌気が差しました。本来であれば「平和でよりよい世界の実現に貢献すること」が目的のはずの平和の祭典が今となってはひんしゅくの種にもなっているのですから「近代オリンピックの父」もさぞかし嘆いていることでしょう。
クーベルタンが唱えたオリンピズム=オリンピックの精神とは「スポーツを通して心身を向上させ、文化・国籍などさまざまな違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって、平和でよりよい世界の実現に貢献すること」。この理想は今も変わらず受け継がれ、彼は「近代オリンピックの父」と呼ばれています。
― TOKYO2020 オリンピック競技大会
olympics.com/tokyo-2020/ja/games/olympic-games-about/
趣味の映画の件は五輪アレルギーへの決定打となった感じではありますが、もちろんその前から疑問に思うことは多々ありました。こと都民には酒類の提供を禁止するなど何かと反発を招く「お願い」が続いていましたが、そんな最中に国際オリンピック委員会(IOC)のお馴染みバッハ会長が来日の際には迎賓館で歓迎会を行うという煽りっぷり。千代田区の紀尾井坂を上って右側のソフィア通りに入らずにそのまま左側に入るとうっそうとした空間に入るのですが、その奥が赤坂離宮の東門です。すぐ北側は四谷方面でもともと飲み屋街も多い街だったのですがコロナ禍を受けてかだいぶゴーストタウン化してきたような気がしています。そんなひっ迫した都心の真ん中で日本政府が中国と日本の区別も付かない耄碌した会長を接待しているのですから国民&都民としてはバカにされていると考えるのも自然なはず。少なくとも私はがっかりしました。

7月23日は祝日として日本時間20時から新国立競技場で開会式が執り行われることになりました。都内ではブルーインパルスが華麗な飛行で見る者に感動を与えましたが、当然の如くテレビが映すのは密状態。競技場の周囲も少しでも五輪の雰囲気を味わいたいひとや五輪中止を訴えるデモ隊でまたもや密状態。
都内では緊急事態宣言やまん延防止が発出されるたびに商業施設が利用できなくなったり普段なら座れるベンチなども封鎖されていました。仕方ないと思いつつも「消毒、検温、封鎖、時短」のオンパレードと、月日が過ぎるにつれて都内のテナントビルがすかすかになっていく様子をこの目で見てきました。飲酒に対して規制が厳しくなってからは、帰宅途中の道端や公園や緑道やあらゆるところで缶ビールやストロング缶を片手に陽気になっている学生や会社員が増えました。
東京は確実に衰退し治安も悪くなりました。私の親族も親友もこのタイミングで職を失いました。遠い親戚もどうやら運悪くコロナにかかってしまったらしく、家族と隔離されました。
いざ五輪が始まれば元気なひとは県境を越えて帰省や旅行に行き、雰囲気だけでも味わいたいひとは会場の近くに行きますが、都内に残った都民は交通規制や付近が競技会場になっていることもあり迂闊に出歩ける雰囲気ではない。
もちろんアスリートのみなさまには何の非もございません。むしろこんな状態で参加してくれたという感謝すらありますね。本当なら東京都内の各種観光地で羽を伸ばしてもらいたかったですが、選手が熱中症で倒れるレベルなので東京の真夏は観光には向いていないでしょう。14時前後はコンクリートからの照り返しと湿度でサウナを泳がされているような状態。私も普通に近所を移動中に倒れかけて自販機で慌てて水を買って頭や手にぶちまけてその辺で適当に座っていたことも多々あります。室内競技はわかりませんが問題になったお台場東京湾からのトライアスロンなど室外競技は本当に危険だと思うので心配です。
なかには選手村に入ってから感染が発覚したことで棄権せざるを得なくなってしまった選手や濃厚接触者に指定されてしまった選手にとってもつらい大会になっていると思います。
なら開会式は見なかったよね!!というのは意地悪な質問です。やはり開催にあたって複雑な思いを抱いていても野次馬根性が働くのはひとの常(多分)。新国立競技場の周辺は割と混乱していたようですがもちろん自宅のテレビ前で待機。がしかし、選手入場時のゲームBGMのオーケストラが良い具合に眠気を誘い早々に爆睡。その後メディアなどで話題になっていたピクトグラムやドローンや天皇陛下の開会宣言での騒動などは全て見逃しました。IOC会長が13分も話続けていたという記事にはびっくりしましたが、全くどこまでも神経の図太いおっさんだなーと思いました。
ただ、2016年のリオ五輪閉会式での日本のパフォーマンスは本当に素晴らしかったと思います。東京五輪は決定当時からも都民の間では予算や夏場の災害級猛暑などにより開催に対して多々懸念がありましたが、あくまで映像表現として観ても1964年の東京五輪をリスペクトした疾走感のある競技者たち、ドラえもんやスーパーマリオなど世界的にも有名な日本のコンテンツを織り交ぜ世界に向けて感謝と「ジャパニーズカルチャー」を発信した当時はよかったです。チアガールのキティちゃんもめちゃ可愛かったです。なので東京五輪開会式もできればMIKIKOさんや椎名林檎さんの演出のものが観たかった。私は週刊誌程度の情報しか知りませんが電(ピー)と女性を侮辱するような案しか出せないロートルなおっさんの地位と名誉と利権のためにぶち壊された幻のプログラムが不憫でなりません。今や関わるだけ損なので一部スポンサーも逃げ出す始末。東京五輪開会式での入場時に絶対盛り上がるはずの任天堂の曲がいっさいなかったことも波紋が広がりました。
Rio 2016 Closing Ceremony より
ただやはりはっきりさせておきたいのは今回の「東京2020オリンピック」と選手等の活躍はあくまで別物だと私は考えているので、東京での五輪開催に対して否定的だとしてもアスリートに対してまで否定的な態度を取るのは違う気がします。責任を取るのはアスリートではなく迎賓館や開会式で遊んでいたような自称おえらいさんです。むしろ招致の際に「温暖で理想的な気候」と騙されて出場した選手や関係者には本当にもうなんだか言葉もありません。東京に住んでいれば真夏の気候が屋外スポーツに適していないことは誰もが理解しています。
さすがに海外メディアも不安視
東京は私にとって父方と母方の先祖のお骨も埋まっている大切な故郷。それがこんな形で世界に注目されてしまうのは正直とても悔しいです。東京の夏は蒸し暑くて臭くて汚いのが当たり前。むしろこの雑多な空間が東京なのです。
* * *
7月28日には1都3県で同時に新規感染者数が過去最多を更新しました。変異株は若者への感染力が高く「重症化はしない」と強調されてはいるものの、若年層へのワクチン接種の目途は立っておらずもはや個人の責任として丸投げ状態。挙句の果てには通常医療の制限が検討されるなど、こんな惨状では今は生きるだけで精一杯です。
8/10追記)
なんとか閉会式も終わり48時間ルールにより既に競技を終えた海外選手も無事帰国。話の長いひとたちはあれとして世界各国の選手のみなさま、ボランティアをはじめ交通整理や警備員に警察官に自衛隊に現地で実働に関わった全てのみなさま、暑く何かと息苦しい状況の中で本当にお疲れさまでした!!
私個人の感想としては五輪に対して明確な賛成派でも反対派でもなくいわゆる「懐疑派」や「慎重派」に当たると思うので、五輪開催を決行したことが成功だったのか失敗だったのかという点についても引っかかりは多く今もなお自分の中で結論は出ていません。おそらくこれから先も考えさせられる経験や課題として残り続ける気がします。
残念ながら閉会後もがっかりイリュージョンは止まることを知りません。選手や関係者らにはプレーブック(規則集)により観光を違反行為として禁止していたにも関わらず、またもやバッハ会長がのんびりと銀座をお散歩する姿がSNSを中心に拡散。なぜお散歩していたかは不明。これに対して丸川珠代五輪相は「不要不急かはご本人が判断すべきもの」というお盆の時期の帰省や旅行を「不要不急の外出自粛」「中止または延期」「お控え」などとして実質禁止状態としている政府側ならいちばん言ってはいけないレベルの見解をさらりと披露したために私も悲しくなりました。TVタックルの頃の丸川アナは好きだったので裏切られたような思いです。
オリンピックは閉幕しましたがこれからパラリンピックが控えています。こちらも東京都が招致した立派な国際大会ですので、運営トップのひとには国民が自発的に危機感を持てるようこれ以上がっかり速報を出してほしくない限りです
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