#パニック症

パニック発作時に助けてくれたコンビニ店員さんにありがとう

当ブログでも小出しにカミングアウトしていますが、私はパニック症（パニック障害）という病気です。言ってしまえば精神疾患なので、旧友を疑うわけではないのですが周囲の目が怖くてなかなか家族以外には全く切り出せずにいました。リアルに学生時代の友達や過去の勤め先の同期などに話せるようになったのも割とここ最近かと思います。

厚生労働省 パニック障害・不安障害 www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_panic.html

私の場合の代表的な症状としては動悸、過呼吸、眩暈、吐き気、離人感（自分が自分でなくなるような感覚）などにより電車やバスなどの公共交通機関に恐怖を感じて乗れなくなってしまったり、同症状により気軽に外出できなかったり食事がうまく摂れず栄養不良になったりといった感じです。

いわゆる不安障害のひとつですが、同じパニック症でも苦手意識がある場所や状況と症状の発現もひとそれぞれで十把一絡げにはできないのでなかなか個性が強い病気です。

この病気になっていちばん身に染みるようになったのは公共の場で発作が出た時に、なるべく人目に付かない＆目立たない所にちょっとした休憩所や立ち往生していても不自然じゃない空間があると本当に助かるなぁということでした。
感じるところはひとそれぞれでしょうが、少なくとも私は「（本当に精神的な発作ならば）目立たずに収まるまで休んでいたい」派なので、特に逃げ場も死角もない混んだ電車内は苦手です。街に出てしまえば百貨店や大型の商業施設内などに潜り込めば「誰かを待っている人」「歩き疲れてちょっと休んでいる人」「スマホをいじっている人」を偽装できますが、外のベンチに長時間だと夏は熱中症に冬は風邪の危険もありますし面倒というか厄介な持病です。他人の挙動に敏感なひとだったら「なんだこいつ」と思われるのではないかという疑心暗鬼に捉われて余計に発作が悪化することもあります。最悪「不審者だと思われて通報されたらどうしよう」「いきなり救急車を呼ばれたら困る」という謎の被害妄想レベルで勝手に自分を追い込んでしまいます。

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なぜ唐突にファミリーマートのダイマかというと、既に数年以上前のこと…。

私ははじめて正社員としての新しい就職先が決まりお祝い的なものも兼ねて母親と某遊園地に行きました。
ちょうどクリスマスの時期だったので園内はとても煌びやかでとても良い一日を過ごせましたが、残念ながら当日は酷い寒波で暗くなる頃にはすっかり体調を崩してしまいました。屋内施設は当たり前にひとでいっぱいでゆっくり休める場所もなく、何とか寒風がしのげる場所で「さむい…さむい…」と発作を起こしかけていたのは覚えています。そういう時こそ園内の救護室みたいなところを頼ればいいと思うのですが、やはりどこかまだ余裕があるのか頭の片隅に「せっかくの思い出を救護室で終わりにしたくない」という変なこだわりのようなものが出てしまい、ちょっと体調が悪いから暖かい場所で少しの間だけ休ませてもらおうという気になれない面倒くさい性格も発作に拍車をかけている気がします。

結局体調は復活しないまま閉園時間となってしまい、とある駅までは何とか母と帰れたのですが某乗り換えの駅で不安が収まらず終電が近付いてきても電車に乗ることができませんでした。もはや高齢の母を真冬の深夜に道連れにする気も起きず、なんとか自力で対処する（当時ならネカフェやカラオケなどで始発を待つなど）と言って先に帰ってもらいました。

母が先に帰ってから、何度か駅構内のトイレに行って気を落ち着かせようと冷たい水に手を触れましたが真冬でちべたいので逆効果。鏡で見た顔はまさしく顔面蒼白というやつでした。もはや駅員さんに助けを求めるしかないのだろうかと思いながらも救急車なんか呼ばれたら堪らないなぁなどとこの期に及んでも変に冷静だったのは覚えています。駅救護室というか駅事務室みたいなところで始発まで休ませてもらえないだろうか…などといろいろ考えているうちに終電も発車してしまい某駅の改札を出るしかありませんでした。

せめてもう少し違った駅に出られていれば24時間営業のファミレスや漫画喫茶やカラオケなどの外食チェーン店や娯楽施設があったと思うのですが、終電も過ぎ駅のシャッターすら閉まった時刻の駅前にあるのは24時間営業のコンビニ（ファミリーマートさん）しかありませんでした。

その時の店員さんは若い学生さん風の男性と若い留学生風の中国人男性の２名で回していました。

あの、たいしたことないんですが持病の体調不良で動けなくて…始発が動いたらすぐ出て行くので店内で休ませてもらってもいいですか…

とわけのわからないことを言いながら突撃したところ、幸い店内に簡易的なイートインスペースがあってわざわざ店内の奥から椅子を持ってきてくれました。

だ…大丈夫ですか!?
救急車呼びましょうか??

何かあったんですか??

といった具合に大袈裟な感じになるのがとても怖かったのですが、若い男性２名は良い意味でドライで全く何も聞いてきませんでした。土地柄もあってか深夜の利用客は運送会社などの運転手がまばらに利用していた程度です。時期的にたまにパリピっぽい若者もいましたが、深夜３時くらいにもなるとほとんどお客も現れず店内の清掃と商品の入れ替えが始まりました。特に店内清掃時は私は完全に邪魔だったと思うのですが、その間も全く話しかけてきませんでした。

もともと周辺は住宅街というよりは工業地帯なのも手伝ってか全てにおいて本当に良い意味で無機質。本来なら深夜のイートインスペースに女性がウォークマン片手に倒れるように突っ伏していたら何事じゃと思われる??かもしれませんがみなさん仕事中の方も多いのでむやみに干渉もしません。

当日はクリスマス期間だったのでファミマの店内は延々と景気の良い店内放送の繰り返しで、さすがに途中から嫌気がさしてウォークマンを大音量にして聴いていました。せっかく来年から新しい会社に勤めるのにこんな出鼻のくじかれ方でだいじょうぶなのだろうか…と情けなくて仕方なかったです。

帰りは雑誌やカイロにコンビニコスメなど5,000円分くらい支払ってお礼を言って帰りました。それこそ夜勤と早番が入れ替わる時間帯になると引継ぎ的に厄介になるような気がしたので始発の時間になったら早々に駅ホームの待合室に行きました。

手元には発作時の頓服薬が一錠もなかったので、ほぼ始発で母に届けにきてもらいました。その数週間後に私は新しい職場に転職するわけですが、本当ならそのお祝い的に行ったのにまるで自信をへし折られる形になってしまったので数日はひどく落ち込んでいました。それでも今では遊園地での思い出よりコンビニでの対応の方が良い思い出としてよく覚えています。

昔は学生やフリーターのバイトの定番みたいな職業でしたが、今ではチキンだのコーヒーだのキャッシュレス決済だのレジ袋だのアニメコラボだので本当に忙しいと思います。ちなみに友人に「コンビニで働けるかしら」と聞いたら「〇〇（私）には無理だよ」とばっさり言われました。もはや職人レベルです。

コロナ対策でベンチが間引かれたり普段は使用できたはずのちょっとした休憩スペースやトイレが封鎖になったりと、突如外出先で発作に見舞われる持病持ちとしては『ウィズコロナ』に伴う『新しい生活様式』との相性はぶっちゃけ悪いです。本来であれば「レジに並ぶ」「電車に乗る」「繁華街に出かける」「外食する」「遠出する」「旅行する」といった感じで段階的に社会生活が取り戻せるように治療していく病気なのですが、それの真逆を世界中に推奨されているので葛藤することも多々あります。当初は外出自体が制限されたこともあり電車や店内の混雑は解消され在宅勤務も推奨されるようになったので「時代が自分の症状に追い着いた!!」とポジティブに捉えていましたが、いつまでもこの状態では必ずしも良いことばかりとも思えず。

話が逸れましたが、当時はファミリーマート本社にメールでもして店員さんの時給を大幅に上げて盛大に表彰してくださいと嘆願したい思いでしたが、私も新しい職場に入って文章をまとめる余裕もなくなってしまい数年越しにこうして間接的にお礼することしかできなくなってしまいました。

意図的かそうでないかは別として、あの時の対応のおかげで自分の病気は他人に伝えてもだいじょうぶなんだと思えました。この場を借りて御礼申し上げます。と同時に終電を逃して休憩する場所ではないのに居座ってすみませんでした。

稀にコンビニやスーパーなどで理不尽に怒鳴っているお客さんがいますが（コロナ対策の影響もあってか最近はあまり見かけない??）なにとぞ勘弁してください。私もレジ含め接客業経験者の端くれとして特に今の時期は大変なことだらけだと思うので感謝しかありません。全国の小売店＆飲食店のみなさんありがとうございます。

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