確定申告番外編:Googleに所轄の税務署で発行してもらった「居住者証明書」を提出しました
毎年恒例の確定申告の時期がやってまいりました。私は使用する勘定科目がほとんどないため前年に申告したデータを参照して改めて今年度分の収入と経費を算出して転記する…くらいで正直面倒なことはあまりありません。
電子決済の拡充により提出物も著しい電子化
しかしながらずっと気になっていたのがGoogleアドセンスの管理画面に入ると真っ赤になって出現するこの通知。「お支払いに対して正しい税額が源泉徴収されるようにするため、できるだけ早急に税務情報をご提出ください。」とのことですが、常に初級編の私にはなんのことやら。


よくよく調べてみると「税法上の居住地の証明書」の提出が必要なようですがネット上でサクッと発行してもらえる類のものではない(=管轄の税務署で紙書類を発行してもらう)ことはわかったので、常日頃から漠然と「あー税務署に行かねば」とは思っていましたが、案の定結局ずるずると先延ばしにしてしまい確定申告が開始になるぎりぎりに行ってきました。e-Taxが普及しているとはいえ申告時期になると税務署も混雑するので早めに済ませられて良かったです。
支払いが雀の涙(とはいえ感謝しかない)なのを良いことに先延ばしにしていたのでばちぼこにしてきました←結局自分が何のために何の申請をしているのかよくわかっていないのでこれから勉強します🙇♀️
— ほちょこ (@e_hocho) February 4, 2025
YouTube向けGoogleAdSenseが主な対象だとしたら全然関係ないぜ‼️#確定申告 #居住者証明書 pic.twitter.com/DWNhLr97Xm
しかしながらそもそも自身が立場的にも収益的にも課税対象なのかどうかも怪しくGoogle曰く「恩恵を得られるかどうかは税理士に相談してください」とのこと。もちろん税理士さんにお願いするほどのお金の流れはないので、とりあえず念には念をということで確定申告のタイミングと同時にようやく発行と提出。
そもそも租税条約とは
日本国内で働いて会社側で源泉徴収や年末調整をしてもらっていた時は全く触れる機会がありませんでしたが、日本でGoogleアドセンスの収益が発生した場合には支払元がシンガポールということもあり結果的に海外から報酬が支払われているため支払元と支払先が日本→日本よりはシンガポール→日本の方が税金の面で壁的なものが生じます。
そ‐ぜい【租税】
デジタル大辞泉より
1 租と税。年貢。
2 国または地方公共団体が、その経費に充てるために、法律に基づいて国民や住民から強制的に徴収する金銭。国税と地方税とがある。税。税金。
[類語]税・税金
租税条約は、課税関係の安定(法的安定性の確保)、二重課税の除去、脱税及び租税回避への対応を通じ、二国間の健全な投資・経済交流の促進に資するものである。
財務省HPより
形式的意味においては、租税条約(そぜいじょうやく)とは、二重課税の排除と脱税の防止などを目的として主権国家の間で締結される成文による国家間の合意(条約)である。
Wikipediaより
似たような言葉に租税公課がありますが、今回の手続きではいったん忘れます。
必要経費になる租税公課は、以下のようなものです。
確定申告書等作成コーナーより
・事業税、固定資産税、自動車税、不動産取得税、登録免許税、印紙税などの税金
・商工会議所、商工会、協同組合、同業者組合、商店会などの会費、組合費又は賦課金
つまりは「居住者証明書」を提出しておけば①二重課税または②脱税の懸念を回避できるということであります。私が懸念という書き方をしているのは先にも書いた通り課税対象者の状況によって必ずしも恩恵(特典、メリットの享受)とやらを受けられるかどうかは判断ができかねるためです。
わが国と租税条約を締結している国等において、わが国の居住者が租税条約に基づく租税の減免等を受けるため、租税条約の相手国等の権限ある当局に対して、わが国の居住者証明書を提出する必要が生じたときは、所轄の税務署で証明請求を行うことができます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9210.htm
二重課税は納税者が損をする??のでGoogleに対して日本で納税していることを証明しておくに越したことはないですが、ひとまず脱税は犯罪です。住民票や戸籍謄本ではなく税務署が発行する居住者証明書なのはお間違えなきよう。
Googleアドセンスでの収益の課税ルール
Googleはたくさんのヒントはくれますが結論や断定を避ける傾向にあります。そのため自身の状況については自身で調査して判断するほかありません。これがネットでコンテンツを管理したり収益を得る際に少々面倒なところ。とはいえGoogleに雇用されているわけではないため自己判断や自己申告になるのは仕方ない。
いちばん最初は下記のヘルプから入るとわかりやすいかと思います。
Google AdSense ヘルプ
ヘルプセンター > お支払い > 税務情報 > 米国以外の税務情報を Google に提出する
https://support.google.com/adsense/answer/14131950?sjid=183244431482832627-NC
ヘルプセンター > お支払い > 税務情報 > 契約先の事業体の税務情報を確認する
https://support.google.com/adsense/answer/1322028?hl=ja&ref_topic=1727182&sjid=183244431482832627-NC
AdSense での収益は課税対象になる場合があり、税法の詳細は契約先の事業体により異なります。契約先の事業体を確認する方法をご覧ください。適用される税法を理解して遵守する責任はサイト運営者様にあり、Google が税務に関するアドバイスを提供することはできません。
https://support.google.com/adsense/answer/1714413?hl=ja&ref_topic=1727182&sjid=8537494489918329151-NC
外国に提出する文書なのでやや敷居が高い気がしていましたが、記際することは意外とシンプルでした。
私(支払元がシンガポール)の場合
①提出先の国名等
シンガポール共和国
Republic of Singapore
②対象期間
任意(空欄でOK)
③申述事項
☑請求者は租税の適用上日本国の居住者であること
☑当該請求は専ら居住性の証明のためになされること
☑本請求書の情報は真正かつ正確であること
④証明書の請求枚数
1枚
⑤整理番号
空欄でOK
不明な点があれば税務署の受付で質問してみるでも大丈夫かと思います。繰り返しになりますが確定申告の時期になると混雑して周囲もピリピリしてくるのでスムーズにできなさそうであれば繁忙の時期をずらして余裕を持った方が精神衛生的にはよいです。
例)手続きの流れ
1.書類を用意する
申請書と証明書が1枚になっているので、同じものを2枚提出してくださいとのこと。記載してから印刷でも、印刷してから手書きでも内容に問題なければ受理されるようです。記載に関しては上述の内容や国税庁HPで確認をば。
居住者証明書および交付請求書の様式
国税庁 ホーム > 税の情報・手続・用紙 > 税について調べる > タックスアンサー(よくある税の質問)> No.9210 居住者証明書の請求
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9210.htm
2.税務署に提出する(郵送でも可)
税務署も窓口がたくさんあるので最初は少々迷いましたが、いつもの確定申告のフロアで大丈夫でした。受付でお願いすればすぐに対応してもらえるのと、おそらく最近は同じような理由で申請される納税者も多いと思われるので「Googleで租税条約がほにゃらら」のようにいちから説明しなくとも大丈夫です。私は直接管轄の税務署に行きましたが、郵送で書類を送付することもできます。
3.発行と返送を待つ(直接受け取りも可)
私の地域では2~3日程度で郵送で返ってきました。受取は再び税務署の窓口か郵送を選択できますが、返送用の封筒を用意していなかったため現地で急ごしらえして郵送でお願いしました。申請書と証明書が1枚で完結しているので、返送物は提出した証明書の欄に証明日、証明番号、税務署名及び役職名、氏名、官印のハンコが押されたものが戻ってきました。
4.データ化してGoogleに送信する
紙書類のままではGoogleに送れない(書類を国外に郵送する方法はとれない)のでデータ化します。なんとか動いてくれる複合機があったので私はスキャナーでPDFにしました。写真でもOKとのことなので、スマホなど撮影した画像データでも文書が鮮明であれば問題ないようです。むしろ提出先や証明書によってはPDFなどで良かれと思って施したトリミングなどが確認されるとはじかれることもあったので、最近は写真の方が好まれるのかもしれません。

送信時に質問される項目(企業情報)
Q. 業種をお知らせください。
Q. シンガポールに恒久的施設を所有していますか?海外ベンダー登録制度に基づいて、シンガポールの物品サービス税(GST)に登録されていますか?
Q. 免税対象となっていますか?
Q. 税法上の居住地
Q. 税法上の居住地の証明書
Google が源泉徴収と税務報告の要件を判断できるように、税法上の居住国 / 地域を選択し、現地の政府が発行した税法上の居住地の証明書をアップロードしてください
上記のようないくつか質問に答えて免税対象であることにチェックを入れると証明書をアップロードするように要求されます。送信後に遷移する画面がこちら。

上述の通りGoogle側が提供している情報によると「適用される税法を理解して遵守する責任はサイト運営者様にあり」とのことなので、いわゆる自己責任ということで担当の税理士がいるひとはプロにお任せするのが最善かと思われます。
私は税理士さんにお願いするほど高額な収益かつ複雑な収益構造もないので自己判断の結果、よくわからなくてもとりあえず提出しておくに越したことはないということで済ませることにしました。もともとGoogle側から赤い警告文は出ていたのでそれに従ったという形です。
重要:Google では、税金の問題に関するアドバイスを提供することができません。お客様の税務状況につきましては、税理士にご相談ください。
https://support.google.com/product-documentation/answer/12298724
Googleアドセンスで確認して「ステータス:承認済み」となれば一連の手続きは終了です。証明書の発行やGoogleの承認待ちなどで数日かかるので、お急ぎの方は早めに頑張りましょう。
参考引用:
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』租税条約(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%9F%E7%A8%8E%E6%9D%A1%E7%B4%84)2025.2.28
コトバンク デジタル大辞泉「租税」の意味・読み・例文・類語(https://kotobank.jp/word/%E7%A7%9F%E7%A8%8E-90112#w-554439)2025.2.28
国税庁 ホーム > 税の情報・手続・用紙 > 税について調べる > タックスアンサー(よくある税の質問)> No.9210 居住者証明書の請求(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9210.htm)2025.2.28
財務省 トップページ > 税制 > わが国の税制の概要 > 国際課税 > 租税条約に関する資料(https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/tax_convention/index.htm)2025.2.28
財務省 トップページ > 税制 > わが国の税制の概要 > 国際課税 > 租税条約に関する資料 > 我が国の租税条約等の一覧(https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/tax_convention/tax_convetion_list_jp.html)2025.2.28
国税庁 確定申告書作成コーナー 令和6年分よくある質問 > 青色申告決算書・収支内訳書 > 必要経費 > 租税公課 > 租税公課(https://www.keisan.nta.go.jp/r6yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/sozeikoka/sozeikoka.html)2025.2.28
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