#ゲーム #その他 #雑感

日本伝統芸能の次世代フォーマットを観た→GTARP【ストグラ】で実現する仮想空間大喜利大会

2024年4月9日 

先日下記のような記事を書きました。もちろん私の一方的な感想や解説などであり非公認非公式です。少々おおげさに聞こえるかもしれませんがなかなか深く感動させていただいたので熱く語ります。

GTARPサーバーのひとつである『ストグラ』のロスサントス市内に於いて先日「大喜利大会」が行われ、大盛況のうちに幕を閉じました。

GTA(グランドセフトオート)で大喜利というわけがわからない企画に対して、視聴者側である私が立ち上げ段階では少々懐疑的であったのにはそれなりに理由がありました。特に会話のテンポや全てが明瞭に視聴できることが前提であると(私は)感じているお笑いはサーバーや回線に依存しているインターネットとの相性が悪いと思い込んでいたからです。

寄席の歴史と変遷

昔から家に落語のカセットがあったり、親が寝る時になぜか流れていたりしたので歌舞伎などと比べると落語は身近な存在でしたが、演目を覚えるほどのめり込むことは正直ありませんでした。だんだん年齢を重ねて日本の伝統についてよくよく考えるようになるとテレビやネットで落語なども嗜むようになりましたが、網羅しているわけでもないので知識としては中途半端です。

今まで聞いた落語で印象的なのが「死神」「疝気の虫」「ねずみ」です。小さい頃は退屈だと思っていたのですが、精神的にカロリーが高いお笑いを受け止めきれない時には落語の雰囲気が心地良い。

『死神』(しにがみ)は古典落語の演目の一つ。 幕末期から明治期にかけて活躍して多数の落語を創作した初代三遊亭圓朝がグリム童話の第2版に収載された『死神の名付け親』を(おそらく福地桜痴から聞いて)翻案したものである[1]。

疝気の虫(せんきのむし)は古典落語の演目の一つ。原話は、寛政8年に出版された笑話本・『即当笑合』の一遍である「疝鬼」。主な演者には、初代三遊亭遊三や5代目古今亭志ん生、桂雀々などがいる。

ねずみは、古典落語の演目。別題に甚五郎の鼠(じんごろうのねずみ)[1]。左甚五郎が登場する噺の1つであり、三井の大黒の噺より約10年後を舞台とする[1]。

寄席の歴史は江戸時代からと言われています。寄席=落語や大喜利だけではなく、講談や漫才など大衆芸能全般が披露されることで人が寄り集まる場所が「寄席」となったようです。文化デジタルライブラリー(https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/)によると、映画→(1923年の関東大震災)→ラジオ放送→(1939年から1945年の第二次世界大戦)→テレビ放映→インターネット、のように芸能の歴史も動いているとされています。その他にもレコードやカセットやCD、最近ではポッドキャストなどの記録媒体の変化も著しいでしょう。

大喜利は「寄席の番組の1番終わりに大勢が出て、踊りや芝居などの余興を見せること。」が最初で、昨今では"なぞかけ"や"あいうえお作文"や"駄洒落"などから意味を考えたら負けな珍回答までお題も三者三様です。

劇場のネット配信は10年以上前から

お笑いを楽しむ方法としては、テレビや劇場(または映画)などの他にも一般個人のネット環境が強くなってきてからは配信番組も普及するようになりました。特に私がよく記憶しているのが渋谷にある吉本の小劇場(ヨシモト∞ホール)から曜日別のナビゲーターによるライブ配信です。

いちばん好きだったのはチュートリアルとアシスタントがピースの日。Flash全盛期から有名な伊集院健くんもレギュラーとして登場。綾部さんが徳井さんを「せんせ~」と慕って圧倒的に女性の観客が多い中でおとなのビデオについて熱く語るくだらない企画満載でした。

『ヨシモト∞』(ヨシモトむげんだい)は、2005年11月28日から2008年12月31日まで、毎日16時から21時(JST)にヨシモトファンダンゴTVで生放送およびネット配信されていた番組。通称「無限大」。

また、吉本興業による「LIVE STAND」というロックフェスのお笑い版のようなイベント(後からロッキング・オンが運営していたことを知る)も一時話題を集めていたと思います(今現在も開催しているようですが当時よりは詳細は知りません)

開催場所は当時から東京会場が幕張メッセ、大阪会場がインテックス大阪と超大規模です。吉本が発行していた月刊誌の中でよしもと男前ブサイクランキングなどが掲載されていたこともあり(私も発表の時期に買ってしまっていた頃があります)吉本芸人のアイドル化に力を入れていた時期かと思いますが、あまり深堀するのも野暮なので青春の思い出として心にしまっておきます。

2010年当時も3日間連続開催

ライブならではの物販も

寄席や劇場にもさまざまな変遷があり、お笑いを披露、共有する場所が時代と共に変化しているのは特にネット黎明期あたりを知る世代からすると明らかです。いちばん顕著なのはラジオやテレビの普及ですが、放送や通信の発展によりラジオならばハガキ職人、動画ならコメント職人(コメ職人)というように視聴者参加が必須のコンテンツも増えました。

令和ならではの仮想空間大喜利大会

失礼を承知で書きますが、正直準備段階やリハーサルの時点では「大喜利ごっこ」くらいに思っていました。運営側(ロスサントス市内の主催者)はロールプレイングゲームという枠組みのなかで最大限可能な準備や想定できるハプニング(サーバーの強制終了など)で頭を抱えているのは断片的ではありますが拝見しておりましたし、出演者側も相当頭を悩ませてリアルに胃を痛めている様子でしたので、日を重ねるごとに一方的にそれらの状況の変化を観ている視聴者側の私としても「これはごっこ遊びの域を超えてくるかもしれない」とだんだん心動かされるものがありました。

ストグラのサーバーに加えて、仮にFiveM(ストグラが使用している世界的なコミュニティサーバー)側に突発的なシステム障害が発生した場合は全員が接続不可になってしまうのはもちろんのこと、こちらに関しては日々起こることですが一時的な通信障害なども考えられるなかで、音声や画面読み込みの遅延、ユーザーが集中することで起こり得るサーバー負荷など全てクリアされた状態で(少なくとも自宅のパソコンでリアルタイム視聴していた私はとってもシームレス)終えたことは素晴らしいことだと思います。

昔はゲームバグといえばおもしろ要素のひとつだったのですが、Call of DutyやApex LegendsやVALORANTなどのFPS(一人称視点シューティングゲーム)の隆盛により競技化が増したことでバグも深刻に捉えられるようになりました。ただ、個人的には不具合の発生は仕方ないことだと思うので、プレイヤーやそれらの視聴者がお互いに怒ったり喧嘩したりするのは悲しいなと思います。少なくともGTARPサーバー内ではそこは究極「ゲームだから」と割り切ってわだかまりを残すことなく笑っておしまいにしてもらえる空間の方が楽しいです。

敢えてひとつ「それはひどいよ」と思ったのが、市長(サーバー管理者)が管理者権限によるアナウンス(Server Announcement)でツッコミを入れてしまったこと。故意なのか入力との絶妙なラグでかぶってしまったのかわかりませんが、回答者の回答と奇跡的に重なり話の腰を折ってしまうという珍事件が発生したのもまたならではのハプニングだったと興味深いです。演芸場やテレビで編集や演出以外でアナウンスがネタに介入してくることはまず考えられません。

いわゆるギャング同士の抗争や恋愛ロールプレイは人気があり視聴者も盛り上がる傾向にあるように見えます。白熱するだけあって熱烈な箱推しによる対立煽りや同担拒否的な意見などが渦巻くことにより粘着で荒れやすいというのもネットの常。静観したい視聴者や当事者にとっては非常に煩わしいものと思いますが、客観的に見ていると「フィクションにここまで没頭できるパワー」みたいなものに若さと羨ましさすら感じます。Windows95の頃からネット依存の傾向にある身としては、炎上に乗っかった楽しみ方は一定の年齢になると力尽きて飽きるようにできているのではないかと最近思うようになりました。

※おたく用語です

特に大型犯罪(ストグラ内で呼ばれるユニオン、客船、アーティファクトなど)はゲーム上のしがらみというかシステム的な制約があるので、それらによって犯罪の実行が妨害された時は荒れやすいようです。簡略的に言うとせっかく時間と労力を費やして立てたフラグをあっさり折られるような感じです。確かにギャング側からしたらたまったものではありません。それを見ている(知っている)視聴者がフラストレーションを溜めてしまう例はよくあるようです。

いちばん良かったのは上述のような日頃のヘイトを取っ払って参加者が充実感や達成感に溢れていたこと。最初は半ば強引に引きずり出されたことでその心労は計り知れないものでしたが、いざ本番を終えてみると「またやりたい」という声が続出しているように見えました。運営側が「もう2度とやりたくない」とモチベーションを下げてしまったらクオリティも維持されませんので、総括の結果「次回に繋げたい」となったのは視聴者側からしても非常に満足感のある見応えとなりました。これはロールプレイならではかもしれませんが、単に大喜利大会というものだけでなく、それを準備して実現して顧みるまでの一連の流れを俯瞰で見ていられたのは劇場やテレビではなかなかない体験だと感じます。そもそも稽古場や打ち上げを観客が見ることはありません。

10年以上前の話で恐縮ですが、アメリカザリガニの平井善之さん(今回の大喜利には赤面亭平井として参加)と柳原哲也さんには私が友人らとグアム旅行していた際に偶然にも現地の空港でお見かけして、若気の至りで図々しくも一緒にお写真をお願いしてしまいました。後から知ったところお仕事でいらしていたようですが(よくよく考えたらスタッフの方が何人かいらしたので察せたはずなのですが)全く怪訝な顔ひとつせずご両名には歓迎して対応していただき、その写真は当時の思い出とともに今でも大切にしています。ありがとうございました。

賞レースや競技型の漫才やコントや大喜利などが増えている今になって「チームプレイ」を考えた古典的演芸を最先端の仮想空間で実現させたことは単なるお遊びだけで済ませるのは非常にもったいないと感じたわけです。今回の例が初というわけではないのですが、同時接続数としては日本最大規模と言っても過言ではない空間を作り上げたことは日本の古典芸能のひとつの進化としてもっと評価されても良いと、全てにおいてド素人の筆者ですが大衆のひとりとしては強く願っております。

* * *

最後に軌道修正しますと、もちろんこういったブッとび系の企画ものだけが長けているということではありません。キャラクターとキャラクターの接触の過程で偶発的に生まれたものが派生していく動静を視聴することや、普段交わる機会がない人間関係が、FPSやTPSバトルだけでない仮想都市(オープンワールド)を通じて自然と拡大していく新しいコミュニティの形は特筆すべき点かもしれません。

わーわー言うとります

参考引用:
浅草演芸ホール(https://www.asakusaengei.com/)2024.4.9
新宿末廣亭(https://www.suehirotei.com/)2024.4.9
文化デジタルライブラリー 舞台芸術教材で学ぶ > 大衆芸能 > 寄席(https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc20/index.html)2024.4.9
お題にボケるを あなたのチカラに。【大喜利ドットジェーピー】 NEWS >「VR大喜利」「メタバース大喜利」研究茶話会を設置いたします(https://ohgiri.jp/vr-metaverse-00/)2024.4.9
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』死神 (落語)(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%BB%E7%A5%9E_(%E8%90%BD%E8%AA%9E))2024.4.9
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』疝気の虫(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%96%9D%E6%B0%97%E3%81%AE%E8%99%AB)2024.4.9
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ねずみ (落語)(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AD%E3%81%9A%E3%81%BF_(%E8%90%BD%E8%AA%9E))2024.4.9
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ヨシモト∞(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%82%B7%E3%83%A2%E3%83%88%E2%88%9E)2024.4.9

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