#パニック症

【体験談】パニック障害の発作が不安でも音楽ライブに行けます‼︎

2021年11月18日 

注)コロナ禍前に書いたものですが参考になれば嬉しいです

今回のテーマは私の持病でもある(もはや病気というより個性??レベルで長い付き合い)パニック障害(パニック症)』がメインなのでアーティストに関する掘り下げはありませんが、私は人並みに邦楽(特に邦ロック)が好きで学生の頃もそうでしたが社会人になってからも割と足繁くライブに参加しておりました。友達がインディーズバンドやアイドル活動をしていて小さな地下ライブハウスにちょこちょこ通わせてもらったのも良い思い出です。

ライブ会場とひとくちにいってもたくさんありますネ。下北沢周辺や中央線沿線の地下ライブハウス等を含めれば都内だけでもたくさんありますが、有名な所ではやはりアリーナやスタジアム系でしょうか。

例)よく使用される会場
・日本武道館(東京都千代田区)
・東京ドーム(東京都文京区)
・横浜アリーナ(神奈川県横浜市)
・さいたまスーパーアリーナ(埼玉県さいたま市)
・幕張メッセ(千葉県千葉市) など

首都圏の大規模な施設だけでも濃いメンツ。遠方ではセキスイハイムスーパーアリーナ(宮城県)、ビッグハット(長野県)、マリンメッセ福岡(福岡県)なども行ったことがあります。こうして一覧で見るだけで血沸き肉躍ってきますが、実は(ひとにもよりますが)パニック症を持つ人間にとってライブ会場というのは得意な環境ではありません

最近でこそ芸能人などのカミングアウトや、ネットの普及によりSNS等で個人が発信できる場が増えたということもあって「精神疾患」というものに対して多少の理解は得られるようになってきたと感じています。それでも一般的な労働市場では人材として必要とされていない&偏見が払拭されていない感はびんびんです。

突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作(パニック発作)を起こし、そのために生活に支障が出ている状態をパニック障害といいます。

― 厚生労働省 パニック障害・不安障害

概ね症状としてはこんな感じで間違いありません。これも個人差があるようで、私は乗り物酔いをした時のようなコントロールが難しいめまいや吐き気だったり動悸や過呼吸だったりとその時々の自身の体調やシチュエーションによって割と変化と波があります。そのため周囲のひとからしたら「なんで??」となるのは「そりゃそうだ」とも思います。

このパニック発作は、死んでしまうのではないかと思うほど強くて、自分ではコントロールできないと感じます。そのため、また発作が起きたらどうしようかと不安になり、発作が起きやすい場所や状況を避けるようになります。とくに、電車やエレベーターの中など閉じられた空間では「逃げられない」と感じて、外出ができなくなってしまうことがあります。

― 厚生労働省 パニック障害・不安障害

ライブと言ってもピンキリでゆったりとくつろげるタイプのバラードやジャズっぽいものから激しく動き回るヘビーなものまでジャンルや楽しみ方も人それぞれ。症状の程度にもよりますが、基本的に「閉じられた空間では「逃げられない」と感じ」る場所に苦手意識を持ちやすい病気なので、ライブのように一気に照明が落ち大音量のイントロが始まり観客の興奮が一瞬にして高まると症状(いわゆる予期不安)が出やすくなります。後方の移動しやすいスタンド席などなら多少開放感がありますが、熱狂的ファンに囲まれたアリーナ席のド真ん中に当たってしまうと簡単には退場できない(と思い込んでしまう)ので余計に厳しい。スタンディングの前方はほぼ捨て身で臨むほかありません。

地下ライブハウスはよほど満員御礼でない限り割と適当な空間で、壁際に座ってドリンクを飲んだりタバコを吸ったり途中で外に出たりするのは自由ですが箱が狭い分爆音がストレスとなって発作に繋がりやすい時もあります。今はわかりませんが場所によっては喫煙OKなので紙巻タバコの強い匂いがダメな人も長居するのはつらいかもしれません。

* * *

昨今はコロナ禍ということで密集したライブ会場やイベント会場に行く機会というのがなくなりました。それでも通常のキャパシティの半分にしてお客さんを入れることで密集を緩和したり、ライブビューイングにしたりネット配信をしたりとアーティスト側の開催に対する熱意と主催者側の企業努力も相まってライブに参加することが必ずしも会場に出向くことでもなくなりました。ライブ映像のソフトパッケージ化は昔からありましたが、開催からやや時間が経つのと臨場感としては生歌に勝るものはありません。

コロナ禍前にライブに参加した時の症状を記録したものがあります。これからどうなっていくのかはわかりませんが、もし閉鎖的な環境に行きたい&行かなければならないのになんらかの恐怖が働いて行けないという方の参考になればと思いました。

緊張と不安のあまりにお腹を壊す

少々話が逸れますが、パニック症に悩まされる者は美容院も苦手です。私は特にシャンプー中に不安を感じやすく、せっかくのリラクゼーションタイムも地獄に変わる時があるので悔しい限り。やはりほぼ仰向けという特殊な体勢な上にお湯やシャンプーを使用しているので、動悸がしたり息苦しくなったり吐き気がしたりしても自分の意思だけでは起き上がったりできないと思うとつらくなってしまうんですね。もうムリだと思ったら担当のひとに言えばいいのでしょうが、歯医者と同じで中断したところでこちらも困ってしまうのが難しいところ。

というのをいろいろ思い出してしまったためか行く前からお腹を壊してしまうという失態に。できれば出かける直前は精神的なこと以外はベターな状態にしておきたかったのですが、私は不安やストレスが胃腸に出やすい体質なので食い止めることができなかったようです。お医者さんもストレス(=不安)で症状が出る器官や症例はひとによって違うものと言っていました。

電車に乗れないのでできるだけ歩いた

当日は電車移動が必須だったのですが、私は電車を利用するのが約半年振りでした。半年前の初夏に自宅の最寄り駅のホームで酷い発作を起こしてしまい、それ以来は隣町の駅まで乗ることもできなくなってしまっていました。幸い会場は近い方だったのですが、それでも電車やバスやタクシーなど公共交通機関を利用せずに移動するとなると徒歩ではとても行ける場所ではありません。さすがにそれでは開演前に倒れてしまうということで「×んでも電車に乗る」と決意したのですが、前回発作を起こした駅に行くことを想像するだけで動悸がするレベルにまで体調が崩れており、仕方ないので1時間程度は歩いて別の駅を目指すことにしました。その方が電車に乗る時間も駅間も少なく済んだからです。

ODしてしまい罪悪感と自責の念

こうして別の駅まで母と一緒に向かうことにしたのですが、残念ながら歩いている最中に極度の緊張状態からか発作を起こしてしまいました。付き添ってくれていた母は終始「焦らなくていい」とは言ってくれていましたが時間は待ってくれないもの。

みず…おみず…

お水!?
この辺に自販機あるかしら。買ってくるからちょっとここで待っててね!!

このまま休み続けていれば確実に間に合わないというギリギリの時間が容赦なく迫っていました。こういう時には冷たい水を飲むと少し落ち着くので母にお願い。

あきらめて帰る??

…やだ

このままではどっちつかずになってしまうとさすがに母も諦める選択を考え出しましたが、徐々に発作が落ち着いてきた私はとっても情けなく悔しい気持ちになってしまい「開演に間に合わなくても最後の一曲だけでもいいから行く」と言いました。母は私のこの言葉にかなり心打たれるものがあったらしく「なら頑張って行ってみよう」と日が傾き気温が下がり始めた寂しい道を共に歩いてくれました。

ただ頓服薬は完全にOD(オーバードーズ)になりました。もちろん当時の主治医には報告しましたが、今となっては結果的に行けたことが本当に良かったと思っているので薬を飲みすぎたことに関しては本当は良くないですが「仕方ない」とあまり自分を責めないようにしました。その後、治療方針を減薬に変えていきたかったので転院したのですがそこの主治医の先生は「(減薬するけれど)無理はしない」と言ってくれるので「飲んじゃだめだ×3」と自分を追い詰めなくて良い気がして幾分か心が軽くなりました。

半年振りに電車に乗れた!

薬の作用もあって目的の駅に着く頃にはだいぶ余裕が出てきていました。逆に母を連れてコンビニに行ったり自販機で飲み物を買ったり積極的に改札やホームへ向かえる度胸も出てきました。そしていちばん苦手だった「電車がまいります」とホームに滑り込んでくる電車。しかし私は不思議と難なく乗ることができました。ほとんど乗客がおらず座席でくつろげたことも大きかったです。この時は全く予期不安や発作が出ないことから嬉しさのあまり車内や駅の写真を撮って(もちろん他の乗客がいないところで)電車に乗れた記念を残しました。

問題なく聴けた→泣いた

コンサートにはつきものの物販には間に合いませんでした(そもそも間に合わせる余裕すらありませんでした)が、開演には間に合いました。始まるギリギリではありましたが暗転するまで多少時間があったのでこの時点で「今日できることは終わった…」という充足感がありました。もちろん帰りのこともあるので気は抜けませんでしたが、行きに発作を起こした時は「もう無理かもしれない」と心折れかけていたので本当に安堵しました。

もうひとつ心配だったのは公演中の発作でしたが、不幸中の幸いでいわゆるアリーナ席ではなく後方のスタンド席だったのでスピーカーも遠く開放感があり閉鎖的な苦痛を感じませんでした。普通に狭いなとかお尻が痛いなとかよくある不満は多少はありましたがカラダが拒否反応を起こすほどではありません。発作を起こし薬で朦朧としながらも会場まで来られたという達成感と安心感、負の面では「どうしてこんなにつらい思いをしないといけないんだろう」という悔しさから曲の節々で泣いてました。元気な時は跳ねたりタオルを回したりする楽しみ方もしていましたが、音楽がこんなにじんわり心に染みたのはひさしぶりかもしれません。

問題なく帰れた

さて、楽しい時間はあっという間であんなに不安だったコンサートも物足りなさすら残したまま終わりました。20時を回ったくらいなので帰るなら電車一択といった状況でしたが、薬が効いていたのか精神的なものなのか帰りの電車も特に問題ありませんでした。さすがに1時間近く歩く余力もないので自宅最寄り駅まで電車に乗るしかなかったのですが、乗車時間としては何度か乗り換えもありながらも1時間程度あったものの途中で降りることもありませんでした。さすがに混んだ急行に乗ったり明らかに酔っ払い客が乗っているような危険な車両には乗れませんでしたが、それまで何を怖がっていたのだろうと自分で自分に疑問符でした。ただこれも結果論で、のちのち電車に再挑戦した時は案の定的発作を起こしまくっていたので頭で考えても仕方がないようです。

この経験で学んだこと

今回はコンサートでしたが、映画でも遊園地でも「行きたい」という気持ちがあれば絶対に挑戦するべきだと私は考えられるようになりました。

もちろん「現地に行くまでの間に何かあったら怖い」「仮に会場に行けても倒れたりしたら周りに迷惑がかかるのでは」という心配はあって当然。よく「体調不良のお客様」で電車が止まって大幅に遅延していたりするのを見ると「自分も似たような迷惑をかけるのではないか」と思ったりもしますが、そもそも体調不良=迷惑という図式が悲しいなと思います。明らかに体調が悪いと自覚しているのに(今現在の課題としては新型コロナ感染症)電車に乗った結果倒れてしまったような状況だと「うーん」とも思いますが、普段健康なひとが突発的に体調が悪くなることもありますし、ハンデがあるひとや妊婦さんや小さいおこさまの体調が悪くなったらそれは果たして迷惑なのでしょうか。…と少し熱くなりましたが、パニック障害によって「人に迷惑をかけるのではないか」という考え方に捉われすぎるのは違うと思いました。

それでも普通に体調が悪い時は無理せずやめておいた方が不安を悪化させないと思います。わかりやすくお腹を壊しているとか微熱を出しているとか、健康なひとでも躊躇するような状態だったら気持ちはあっても無理は良くないです。あくまで「不安」だけが先行している場合はちょっと頑張ってみても良いと思います。

ここからちょっと例が具体的なので苦手な方はとばしてください。

私自身ライブ会場やイベント会場のスタッフのアルバイト経験があるのですが、突然イベント会場内から飛び出してきて苦しそうに座り込んでしまう若い女性、ライブ会場内から出てきたかと思ったらくるっと一回転してバターン!と豪快に倒れそのままドリンクを吐いて半分気絶してしまった男性など(吐瀉物での窒息が心配!!)、体調不良を訴える人々に遭遇する事は多々ありました。遊園地でアルバイトをしていた経験もありますが、特に小学生くらいまでのこどもは食べられる量や自分の体力の限界がわからないのでよくキャパオーバーしてところかまわず吐きます。トイレも間に合わないことが多いので(本当はNGですが)親御さんが仕方なくその辺でさせていることもあります。小売店でアルバイトしていた頃も店内で気分が悪くなりスタッフルーム(というよりほぼ商品倉庫)に段ボールを敷いてそこで休んでもらうこともありました。友達や家族が吐きそうなのでビニール袋(ショッパー)くださいという事例も割と普通です。

というようなわけで人が集まる所では一時的な体調不良に陥るひとは大勢いますし、係員も対応することに対して「迷惑」などと口にすることも態度に出すことも決してありません。私は自身が似たような体質なのでこのように記憶してしまっていますが、大半の関係者にとっては日常茶飯事なのでいちいち覚えていないと思います。アーティスト自身や運営側もそれを認識しているので事前にアナウンスすることもあります。

私も罹患した当初は「どうしてこんな目に」と自暴自棄になることが多かったです。うっかり某掲示板にパニック症であることを書き込んだら「他人に迷惑をかける障害者は外に出るな」と今話題の誹謗中傷されたこともありました。正直その時はムカッとはきましたが、この手の病気は家族や親しいひとに突き放される方が何倍もつらいです。弱っている時は周囲の冷ややかな視線に敏感になったりもしますが、それはまぼろし。自分に少しでも自信を持って(それがいちばん難しい)開き直って生きる方がより楽だと思いました。

励まされた言葉集

エレファントカシマシ
俺は水飲んでるけどみんなは立ちっぱなしで大変でしょ

スピッツ
脚が痛いとか気分悪いとかで外に出てるひとにも届くように歌います

参考引用:
厚生労働省 パニック障害・不安障害(https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_panic.html)2021.11.18

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