キャンベルハムスター4匹家族の生涯をみた

2020年9月19日 

過去にハムスターとマウス(ハツカネズミ)を飼っていたことがあります。ハムスターをはじめて飼わせてもらったのはハムちゃんブーム真っ只中の小学生の頃で、父親が仕事帰りに買ってきたのか誰かから譲り受けたのかは忘れましたがつがいのゴールデンハムスターを持ち帰ってきたのが齧歯類との最初の出会いでした。

オスはとてもおとなしくつぶらな瞳が可愛いらしい長毛種で、メスはきりっと赤く鋭い瞳が印象的な強気で美人な短毛種でした。

もう既に立派な成体だったので目を離したスキにめでたく14匹ちかく出産してしまい、すぐさま近所の個人経営のペットショップで大量の業務用レベルのひまわりの種と交換に引き取ってもらいました。その後もまたオスとメスを1匹ずつ産みましたが、2匹なら飼えるなと余裕をぶっこいていたら母と娘がまさかのケージ越しに爪の尖った手を伸ばし合う決死のガチ喧嘩が絶えずとにかく大変でした。穏やかな父はすっかり隠居生活のようになり、たまに外に出てきてはやれやれ感満載で巣に戻って行きました。息子もそんな父に見た目も性格もそっくりで滅多に怒ったり反撃などすることのない温厚な性格でした。

それから数年後。年齢的に自分ひとりでペットショップやブリーダーのお店に行けるようになってからまた何匹か飼っていましたが、いちばん悲しいのは寿命が短いこと短いこと。生後1ヶ月もすれば小柄ではありますが立派な成体になり繁殖も可能になるので、あっという間に子供を産んであっという間に死んでしまいます。だいたい2〜3年くらいです。個体が小さい分傷むのも早いのかハムスターやマウスが死ぬと部屋の匂いで何となくわかるようになりました。

いちばん最近に飼育していたファンシーマウスさん

今はもう飼っていませんが、かつて14匹のゴールデンハムスターを引き取ってもらった件のペットショップで買ってきた「ブラックジャンガリアンハムスター」(飼育当時いろいろ調べたところそのような品種はなかったらしく繊細ゆえの気性の荒さや見た目などから「キャンベルハムスター」と判明)の思い出が忘れられません。

小さい頃からミッキーマウスが大好きだった私は黒いハムスターを飼いたいと思うようになりました。偶然全身真っ黒の小さいハムスターが虫かごみたいなプラスチックの箱の中でちょこまかしているのを見てすっかり一目惚れ。店主にお願いしていちばん綺麗な毛艶の女の子を購入し、急いで持って帰りました。どの個体もだいたいそうですが、はじめは怯えて興奮気味になっており無闇に手を出すと光の速さで脱走されるか噛みちぎられるので当分は見守ります。

だんだん慣れてきたのか隙を見て脱走することはありませんでしたが、甘噛みが痛いので常に軍手をしてスキンシップを図っていました。徐々に「これは噛むものじゃない」と理解してくれたようですが、小学生の頃にゴールデンハムスターに本気で噛まれて指から盛大に血が出た経験のある私はトラウマにより軍手が外せずにいました。それでも手に乗ってエサを食べてくれたり愛らしい姿を見せてくれたりととても可愛らしい女の子でした。

とある日、急に何かに目覚めた私は「この美しいハムスターに素敵なオスを連れてきてあげたい」と思うようになり、また同じペットショップに行って今度はオスを買ってきました。メスは毛艶がよく気品があるタイプでしたが、オスはずんぐりむっくりしていてふてぶてしい野郎でした。が、その真逆な感じがとてもお似合いに見えました。早速同じケージに入れる前にお見合いをし、お尻とお尻の嗅ぎ合いっこの末に殺し合いのバトルロイヤルにならないことを確認してからは同じケージで飼うことにしました。

またある日のこと、オスの歩き方に少し違和感を覚えよくよく見てみたところ左足が足首からごっそりなくなっていました。メスが食いちぎったとは考えにくいので(傷痕もなくむしろ普通に足がないだけという感じ)先天的なものなのか生まれたばかりの頃に喰われてしまったのかわかりませんが、当オスは元気そうに走り回っていたので気にしないことにしました。当時は個人経営のペットショップの個体管理は割とそんなもんだったので怒りやクレームみたいな感情もありませんでした。そもそも980円くらいでパパッと買ってきたので、足がないだけで文句を言うのも何かなぁという。時代なんでしょうか。

そんな黒いキャンベルハムスター夫婦も無事に愛を育んだようで、飼い主はメスのお腹が膨れてきていることに気付きます。「これはめでたい!」とオスは別のケージに移し、妊娠と出産のために栄養を摂ってもらい出産が近付いてきたらなるべく放っておくようにしました。

数日後、私が深夜にトイレで起きてきてからメスの様子を見に行くと何やら落ち着かない様子。どうしたものかと観察していると、お腹がスッキリしているのに巣に赤ん坊がいる気配がない。「お母さんちょっとすんませんね」とつまみ上げると、ちょうど膣(ハムスターのメスにももちろんお尻の部分に生殖器があります)の部分が鮮血で出血していたんですね。うーん…と足りない頭を捻った結果、流産したか出産がうまく行かなかったのだろうと素人頭で結論しとりあえず休ませることにしました。オスにも「お前はもうすぐパパだぞバカタレ」と謎のちょっかいを出していたので飼い主としてもショックですが、メスが弱っていたのが心配でした。ひとまずオスメスは分けたままにしてメスが元気になるまで普通に飼っていました。

そもそも繁殖させたいと思ってつがいにしたという経緯もあり、今回のことでストレスを抱えたであろうメスには申し訳なれど飼い主のエゴにより元気を取り戻してきたメスを見て再び夫婦を同じケージで住まわせることにしました。基本的に仲は良いようで、たまに「チチッ」とハムスターあるあるのいざこざはありましたが取っ組み合いになって無理やり引っぺがさねば血を見るぜという程の不仲はありませんでした。さすがねずみの仲間。あっという間に再び妊娠を確認し、オスはまた別のケージに引っ越してもらいました。

今度は大丈夫だろうか…とさすがに心配。また、オスが先天的に片足がないというのが何か影響しているのだろうかと遺伝について考えたりもしましたがどうあれ夫婦円満で何よりです。たーんとお食べよと栄養を付けてもらい、あとは母のタイミングで巣にこもってもらうことにしました。

数週間後、母とは違う鳴き声が聞こえるような気がすると思った飼い主はエサを取りに来た母を捕まえて人間の匂いがつかないようにそーっと巣の奥を確認すると2匹の赤子がおりました。「でかしたぞ!はみちゃんよ!!」と父になったオスにも口頭で報告し(当事者は何もわかってない)あとは母に任せることにしました。ブリーダーでもない私が無闇に干渉して不安になった母が我が子を噛み殺しでもしたら悲しすぎますので。

やがて小さなお子2匹は自力でたまに顔を出すようにはなりましたが基本的には巣の中でした。時折母がエサを取りに出てくるのですが、トイレに使用している陶器のへりに顎を乗せて涼みながら寝ている…。こら相当疲れてるなぁと思いながら観察していると巣の中から「チーチー」と鳴き声が聞こえてきます。母の安息も束の間、己のからだをよっこらしょいと引きずるように巣に戻っていったあの疲れたお尻は忘れられません。

こうして母の愛情と苦労の賜物により可愛らしい2匹の真っ黒なハムスターが巣から這い出てくるようになりました。まさに玉のような御子。宝石のように煌びやかでキュートで愛おしく愛くるしいお姿。やがて人間が触れても大丈夫なくらいに自立してきたので、母と子で部屋の隅で遊ばせたりしました。まだからだは成体の半分くらいで小さかったですが念のため性別チェックをしたところ2匹とも女の子でした。娘たちは常に母の側を離れず、とうに乳離して自分でペレットを食べられるはずなのにずっと母のお腹をまさぐっていました。毛繕いをするのもエサを食べるのも常にぴったりくっついて離れない。なんと微笑ましい!幸せに浸っていた飼い主でしたが、そんな一幕も長くは続きませんでした。

ハムスター
姉妹合わせて母と同じ体格になるくらい小さい

ハムスター
高速毛繕いをする母と片時も離れない娘たち

やがて母と同じくらいまでに成長した娘たちは姉妹で共闘して母を邪魔だゴルァだと言わんばかりに煙たがって攻撃することが増えてきました。よくよく考えたら昔飼っていたゴールデンハムスターもしっかり血の繋がった母娘で血肉の争いを繰り返していたので、これはいかんと母を別のケージに移して姉妹は同じケージで暮らしてもらうことにしました。

姉妹同士は争うことはなかったのと性別チェックも間違いがなかったので安心しましたが、別のケージに移した母はやがてみるみるうちに艶のあった黒い毛並みが白くなってしまいました。メスでも気が強い方ではなく実の娘たちに逆襲することもなかったので「お前は立派な母だなぁ」としんみりしながら余生を見守っていました。

一方の父は自分に娘がいることも知らずに回し車を回しておりましたが、片足がもぎ取られたかのようになくなっているのに立派な姉妹を誕生させたことに感謝。私が勝手に姉扱いしていた方は父親そっくりのふてぶてしいキュートなぽちゃかわで性格も父に似て少しだけ気性が荒い。そして妹は母親にそっくりで綺麗な毛艶と気品が漂う美人でした。この産み分けはすごいなぁ、生物や遺伝って奥が深いなあと感心したのを覚えています。

ハムスター
奥が母はみ似の妹、中央が父はみ似の姉

やがて母は常に寝ていることが多くなり、飼い主は姉妹と遊ぶことが増えました。父は相変わらず自由気ままに回し車で遊んでいたので好きなようにさせていました。

数年が経ち(2年程度)母が苦しそうにしていることが増えました。今まで何匹もハムスターを看取ってきた身としては覚悟していましたが、ペットとして妻として母として頑張ってきた生涯を見てきた飼い主としてはグッとくるものがありました。とある夏の日、暑さに耐えかねたのかひっそりと息を引き取っていました。

夫にも娘にも「お母さん死んじゃったよ…」と伝えるも「(は?)」といった興味のなさが生物界の残酷さを物語りますね。生体と死骸を引き合わせるわけにはいかないので(詳細な死因がわからないので衛生的な問題)そのまま埋葬となりました。

父はその後も元気にはしていましたが、亡くなる前に絶対に交尾しないよう取り締まりながら娘とも対面は果たさせ天寿を全う。父によく似ていた姉も順番に逝きました。

最後には母とそっくりの妹が残されました。とある日苦しそうにしているのを発見し、ケージを外して語りかけていると(もちろん通じない)私がはめていた軍手をはみはみとかじり出しました。改めて見ると晩年はしわしわになりやすい耳もしっかりしていて毛もサーッと白くなっただけで抜け毛もなく綺麗でした。お前は母にそっくりだなぁと好きなだけ噛ませているとプルプルと震えて最後はキュッと目をかっぴらいたかと思うとシューーーと空気が抜けるように目を閉じました。

亡くなってから数時間後に発見してしまうと死後硬直で悲しい姿になってしまっているのですが、妹の場合は死の瞬間に立ち会ったので綺麗にしてあげられました。割と仲の良い姉妹だったので姉と隣同士に埋めました。

安く購入できて手軽に飼えるペットの代名詞的存在といえど、繁殖が絡むと大変ですし何より遺骸は何度見てもつらい。私もプロではないのでやはりうまく長生きさせてやれなかったりすると「もう飼う資格はないな」と何度も落胆します。でもハムスターやマウスは人馴れすれば手の上でエサを食べてくれますし、鼻と鼻を近づけるとスンスンスンスンと勢いよく鼻息をぶつけてきたり、私のメガネのふちにのったり、肩に乗せれば耳の穴に入ろうとくすぐってくるおちゃめな奴です。ゆえに何度庭に遺骸を埋めようともまた飼ってしまうエゴイズム。

ただ私はあのキャンベルハムスターたち、特に母の一生はどうにも忘れられません。もし彼女と話せるのなら「お前は本当によく頑張った!素晴らしい女性であり妻であり母であり私の誇りだった!!」と伝えたいですね。

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