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コレを聴いておけば若者に『うっせぇわ』されないかもしれない曲(2021/3現在)

2021年4月21日  2021年3月19日 

昭和から平成中期くらいにかけては「歌」というと歌謡曲からポップスなど多少の世代間の差違はあれど1曲くらいは「老若男女問わずみんなが知っている(歌える)曲」というのがあった気がします。今ではテレビやラジオだけでなくインターネットのさまざまなプラットフォームでいろいろな曲がリリースされるようになったこともあり、その利用者の世代にも合わせて曲の流行がかなり偏重してきたように感じています。私自身もいわゆる逆張りが強かった頃は「流行っている」というだけで食わず嫌いしている時期もありましたが、今では「何でもっと早くに知らなかったんだろう」とちょっと後悔するレベルでおもしろい曲が聴けるので正直めちゃくちゃ楽しいです。

なぜかレコード屋さんがくれたオリコンチャート※1の冊子を開いて一生懸命ランキングを追っかけたり、COUNT DOWN TV(TBS系列)※2やJAPAN COUNTDOWN(テレ東系列)※3で流行の邦楽に触れるのも楽しかったのですが時代の変化は仕方ないですね。

※1)現在は廃刊
※2)2021年4月期の改編により土曜深夜枠は番組終了
※3)2020年9月に番組終了

さて、ここでいう若者とは年齢的に学生~新卒社会人くらいの青年期でしょうか。社会に出て数年も経てばみんな立派な壮年期です。私の周りでも管理職を務める友達が現れてたまーに若い社員のコの愚痴を言っていたりするので先輩や上司の経験がない永年下っ端の私は置いてけぼり感満載ですが、みなさん最近の若者を侮っていませんか。我々年長者が歩み寄らなくては若者と円滑なコミュニケーションは取れません。そう…良くも悪くも「若いんだから後輩(部下)のお前が先輩(上司)に気を遣えよ」の時代は終わったのです!

というわけで、多分これさえ押さえておけば現代の若者が共感する心情に触れることができると思うのでイヤと仰らず共に聴きましょう。

その前にここで「ボカロP」について改めて定義を予習しておく必要があります。

ボカロP(ボカロピー)とは音声合成ソフト・VOCALOID(ボーカロイド)で楽曲を制作し、動画投稿サイトへ投稿する音楽家を指す俗称。

フリー百科事典『Wikipedia』より

ボカロPがプロデュースするのは、北海道札幌市にある「クリプトン・フューチャー・メディア株式会社」がヤマハ株式会社の技術(登録商標)であるVOCALOIDを使用して開発したDTM(デスクトップミュージック)ソフトウェアのキャラクター(バーチャル・シンガー)たちです。いちばん有名なのは2007年に登場した「初音ミク」ですね。その後も女声と男声で歌える「鏡音リン・レン」や英語でも歌える「巡音ルカ」など声質や音域など特徴が異なるシンガーが登場したことで表現の幅が広がりました。

プロセカ
スマホアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ!
feat. 初音ミク』より

ニコニコ動画の全盛期(私は「ニコニコ動画(原宿)」の頃の2010年前後くらいの世代でコブマスやチャー研などがドンピシャ)を知っているひとにとっては身近な存在。以下に出てくるアーティストにもニコニコやYouTubeでボカロP出身として活動を始めた方がいます。出身という表現が合っているかはわかりませんが、少なくとも今までのように路上ライブや地下ライブハウスやオーディションから…というようなデビューの仕方とはかなり異なる感じがします。

初音ミク,六本木ヒルズ
初音ミク,六本木ヒルズ
六本木ヒルズでコラボしていたミクカフェ(miku cafe)
Louis Vuittonのダミエを纏ったミクがお出迎え(2013/6撮影)

ボカロP出身のプロデュースの場合MVもアーティスト本人や俳優などによる実写が中心ではなく、今風の作画によるアニメーションと効果的に現れる歌詞が印象的なのも共通しています。

アニメーションは動画主が作成したもの

コンピュータによる歌唱が実現したのは最近ではなく1961年のIBM704による「Daisy Bell」が初。曲自体は1892年にイギリスのハリー・ダクレが作った童謡のような歌です。その無機質な歌声がTikTok上ではscary(恐怖)やcreepy(不気味)な象徴として使用されることもありますが、昨今の音楽事情も考えると歴史的には超重要な資料かと思われます。

夜に駆ける/YOASOBI
作詞・作曲:Ayase

特異な創作法と高い歌唱力で新しいサウンド感を出している音楽ユニット。もはや代名詞でもある『夜に駆ける』は星野舞夜さんによる小説『タナトスの誘惑』を原作として制作された楽曲です。昨年からメディアの露出も高いので「これなら知ってる!!」というミドルも多いかと思います。特に昨年(2020年)の紅白歌合戦でのパフォーマンスは記憶に新しいかもしれません。作詞作曲を手掛けるAyaseさんはボカロP出身の方で、ノートパソコンしか使用しない作曲方法は話題にもなりました。

ボーカロイド曲の特徴のひとつとしては普通の人間には歌えないだろうと思うほどのスピード感とテンポと音域の変化だと感じていますが、それをクリアしてしまう超人が「歌ってみた」のいわゆる「歌い手」の方々。

Category:歌い手
動画配信サイト(ニコニコ動画やYouTube等)への歌唱動画から人気となった人物や事物に関するカテゴリ。

フリー百科事典『Wikipedia』より

ボーカルのikuraさんは歌い手出身ではなくシンガーソングライター(幾田りら名義)の方です。が、ボカロP出身のAyaseさんによる飛び跳ねるような音域を流れるように歌い上げるしなやかな歌唱力に驚かされた聴取者は多いはず。邦楽の新しい領域を拡げた感があります。

うっせぇわ/Ado
作詞・作曲:syudou

Adoさんによるオリジナルver.

あまりテレビやラジオで聴くことはありませんが、ネット上ではカルト的人気とともに動画投稿サイトでは「歌ってみた」や「替え歌」をする投稿者も続出。2020年10月23日にYouTube上に公開されてから既に9900万回再生(2021/3/19現在)を突破。罵詈雑言(「くせぇ口塞げや限界です」は心をえぐられる模様)が止まらない歌詞に眉をひそめる大人も続出ですが、キャッチーなメロディと日頃の鬱憤がこれでもかと容赦なく爆発している歌詞に若者には大ウケです。

提供したsyudouさんによるセルフカバーver.

よく勘違いされていますが作詞作曲したのは歌っているAdoさんではなくボカロP出身で会社員の経験もあるsyudouさんという男性です。セルフカバーとして自身で歌っている動画もあります。そちらの方が「そこの会社相当ブラックだったんだろうなぁ」とひしひしと伝わってきます。Adoさんがまだ未成年の若い女性という点で衝撃が走ったせいか誤解している聴取者も多かったようですが、学生が社会に対して反抗的な態度を示しているというよりは社会人(今風に言うなら社畜)の理不尽と悲哀に満ちた日常に対するストレスを吐き出しているといった方が適切なのかもしれません。

私も会社でのお酒の席でおじさん連中に「お前気が利かねーな」と冗談半分でからかわれた経験も多いので結構共感する部分もあります。その時は「すいません」と言いました。

追記)
3/19のMステでToshlさんが歌っていて普通にテンション上がりました。

秒針を噛む/ずっと真夜中でいいのに。
作詞:ACAね
作曲:ACAね, ぬゆり

私は当初混乱していましたが『ずっと真夜中でいいのに。』は曲名ではなくバンド名。愛称は「ずとまよ」。眠そうにしている紫色の女の子のイラストを見たことがあったらそれです。ボーカルは作詞作曲も務めるACAねさん。共同作曲者のぬゆりさんはボカロP出身の模様。公式サイトがあるにもかかわらず「これまでの事はウィキペディアなど参照。」とウィキに丸投げしているのが面白いです。

2018年に『秒針を噛む』をYouTubeに投稿したのがきっかけで火が付き若いネット世代を中心に人気が爆増。こちらも高音域をガッツリ歌い上げる歌唱力の持ち主。女性が歌っている曲なのに女性でも何オクターブか下げないときついです。

廻廻奇譚/Eve
作詞・作曲:Eve

300億の男として超絶人気を誇る「柱」のひとり煉󠄁獄杏寿郎と共に無限列車で鬼と戦う竈門炭治郎の物語を描いた劇場版でも話題になったマンガ&TVアニメ『鬼滅の刃』に続く勢いで現在話題のTVアニメ『呪術廻戦』の主題歌です。読み方は「かいかいきたん」。

Eveさんは2009年頃からニコニコ動画で「歌ってみた」の歌い手としての動画を投稿。なので歌い手でもありボカロPでもある凄いひと。人気曲のひとつである『ドラマツルギー』では本人歌唱ver.と初音ミクver.とあるので聴き比べるのも楽しいです。

ちょっとハスキーで高い声質はBUMP OF CHICKENやRADWIMPSとも似ている感じで心地が良いです。もはや米津玄師(ハチ)を筆頭にニコニコ動画ってこんなに凄かったんだという印象だらけです。

僕の戦争/神聖かまってちゃん
作詞・作曲:の子

TVアニメ「進撃の巨人」The Final Season
ノンクレジットOP ver.

ジャケット画像は『進撃の巨人』作者の諫山創氏によるもの

神聖かまってちゃんの曲自体はよく知らなくてもロック系バンドであることは知っているくらいの知識の方が多いイメージ。いわゆるディープでコアなファンがついているというタイプに感じます。かくいう私もTVアニメ『進撃の巨人』まではその音楽性をほとんど存じ上げませんでした。すみません。

プロの指パッチン演奏者である「指男(Yubio)(@yubio_finger)」さんがTikTokに投稿したとある動画がミリオン再生となり今ではすっかりお馴染みの素材となっています。

TikTokの埋め込みが不安定なのでTwitterより拝借

というのも、ご覧の通り『僕の戦争』の冒頭部分を指パッチンで奏でながら

たららら らーらりらすたらりりりらすてぃり
らーらりらすたらりりりらー
らーらりらったたりりりらすいてぃり
らすてぃす! らすてぃす! らりりりらー!

と完全にうろ覚えと思しき歌詞と高い歌唱力で歌いながら巨人さながら林道を駆け抜けるというもの。その中毒性は抜群。

もともと有名な方ではありますがこのドップラー効果にも似た謎の立体音響がTikTok上でいわゆる「バズ」りまして、このサウンドを使用したショートムービーが大量発生しています。この「ラスティス」という言葉に関しては作詞作曲を手掛けたの子さんが「呪文」と言っているので実はイタリア語だったりスペイン語だったりという意味深な歌詞というわけではない模様。

英語の歌詞では軍隊と戦争を想起させる徹底的な闘争心を歌い、日本語の歌詞では日常の孤独感や虚無感を抱えた学生が下校時間にいつもの通学路を歩いているというギャップ感がとても好きです。全く同じ曲調なのに雰囲気や世界観がガラッと変わるのは普通に「すごい」と思って結構ヘビロテしています。

まだ初音ミクやボカロPが出てきたばかりの頃に当時のバイト先の先輩がボカロ曲を発掘しまくって「クオリティがめっちゃ高い!ボカロだとかいってバカにできない!!」と絶賛していましたが見事に的中して驚愕しています。実際今現在の音楽シーンを席巻しているのはほとんどボカロP出身だったりするので本当に凄いです。もちろん打ち込み系だけでなく『Official髭男dism』『King Gnu』などなど音楽業界が絶賛するバンドやシンガー兼クリエイターも台頭しているので今の音楽を追っかけるのは楽しいと思います。

逆に若いひとに合わせようとしすぎて痛い認定されても責任は負いかねますのであらかじめご了承ください。そこの距離感は頑張ってください

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